2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化時代の別荘型超郊外住宅地における居住者特性と居住環境に関する研究
Project/Area Number |
22520803
|
Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
橋詰 直道 駒澤大学, 文学部, 教授 (30255640)
|
Keywords | 超郊外住宅地 / 別荘地 / 高齢化 / 居住者特性 / 居住環境 / キャノンズパーク |
Research Abstract |
本研究の目的は,大都市圏の超郊外住宅地における別荘型超郊外住宅地の開発とその立地特性を把握し,その住宅地における居住者特性を分析することによって,定住化とシニアタウン化の実態と居住環境に関する諸問題を明らかにすると同時に,居住空間としての質的価値を形成する住宅地景観やその維持管理の在り方を検討することにある。 本研究は,採択時の諸事情により,本来平成22年夏に予定していた千葉県内の超郊外地域の別荘型住宅地でのアンケート調査を含む現地調査の実施が不可能であったため,22年度は千葉県内において調査対象住宅地の候補地の選定作業を中心に研究を行なった。その結果,極度に高齢化が進展している千葉県外房地域に別荘地として開発された勝浦市の「ミレーニア勝浦」などが調査対象地域として適切であることがわかった。 また,東日本大震災とその後の社会的混乱で当初3月に実施予定であった,イギリスのロンドンとリバプール郊外の住宅地の比較調査を半年遅れの9月に実施した。その結果,ロンドン郊外のキャノンズパークとリバプール郊外のバーケンヘッドにおいて現地調査を実施し,関連資料を入手した。キャノンズパークは,ロンドン西郊で比較的社会階層の高いユダヤ系の富裕層を中心とする郊外住宅地で,特にその住宅地内の緑地景観に特徴があること,リバプール郊外のバーケンヘッド公園は,1847年にイギリスで市民のための公園として初めて整備・開放されたもので,後にニューヨークのセントラルパークのモデルとなったことが知られているが,バーケンヘッド公園は,アメリカにおける初期の田園郊外の1つであるシカゴのリバーサイド住宅地の計画にも影響を与えた可能性があると考えられること,などが明らかとなった。
|