2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520827
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
才津 祐美子 長崎大学, 大学院水産・環境科学総合研究科, 准教授 (40412613)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 民俗学 / 茅葺き / 民家 / 民俗技術 / 文化遺産 |
Research Abstract |
本研究では、これまで岐阜県白川村の茅葺き職人を中心に調査することで茅葺き技術の継承と応用に関する研究を進めてきた。平成24年度は、平成23年度の調査で明らかになった茅葺き関連の全国的な組織づくりを試みている団体(一般社団法人日本茅葺き文化協会)に関して更なる調査を行った。 日本茅葺き文化協会は、日本ナショナルトラストの活動を引き継ぎ、平成22年2月3日に設立された。同協会の目的は「茅葺きの文化と技術の継承と振興をはかり、もって日本文化と地域社会の発展に資すること」である。事業内容としては「(1)茅葺き技術及び茅葺き景観の研究、調査、記録、開発及びそれらに関する教材、資料の作成」以下、「(2)茅葺き技術の継承と普及及び後継者育成」等があげられている。主な活動としては、毎年1回総会および茅葺きフォーラムを開催し、会報を発効しているほか、各地で茅刈り体験ワークショップ等を行っている。 平成24年度の総会・フォーラムは6月9日に福島県天栄村で開催され、翌10日には大内宿等で見学会が催された。参加者は、茅葺き関連の保存団体・建設業者・茅葺き師・地方公共団体職員・研究者等で、全国各地から集まっていた。聞き取り調査によれば、各地域・事業者間の相互扶助的な動きはまだほとんど見られないということだったが、情報交換会や見学会での様子から、関係者間の交流は確実に深まっていることがわかった。また、東日本大震災後に福島県内に建設された仮設住宅の中には屋根の断熱材として茅を使用したものがあるが、この茅は会員によって同協会に提供されたものだったという。こうしたことから、同協会がまさに茅葺き技術の継承と応用に関する先駆者的存在であることが明らかになった。 以上のほか、平成24年度は本研究の最終年度であるため、平成22、23年度の補足調査を行うとともに、これまでの調査で得られた資料を整理・分析した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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