2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22520828
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
小川 順敬 駒澤大学, 総合教育研究部, 准教授 (00338302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下郡 剛 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (50413886)
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Keywords | 沖縄研究 / 久米島研究 / 家譜 / 位牌祭祀 |
Research Abstract |
本研究は、沖縄県久米島の地方役人階層で、18世紀中頃から100年ごとに作成されてきた家譜、父母記、家系の備忘録、位牌記録、年回忌記録、骨瓶記録など、未公開の家系資料群の整理・検討・目録化を行い、久米島地方役人階層の系譜観、一族意識の変遷を明らかにする事を目的としている。 この研究は、沖縄久米島の地方役人階層の家譜記録など、主に未発表史料を基礎資料としているが、23年度は、18世紀、19世紀の家譜、父母記類の整理、目録化を進めると共に翻刻作業を本格化した。また大正~昭和初期に久米島の家譜類を一部整理した新資料を複写物で確認したが正本は未収集である。この資料とこれまで収集した家譜、父母記類との比較作業も開始した。 新資料の収集では、18世紀成立と思われる未報告の家譜資料が2点、19世紀の父母記資料が2点(写本を含め4点)発見された。その他関連資料も数点も確認された。 本年度は、上記の入手済みの家譜資料と新収集資料の整理、目録化を前年度から継続して行った。しかしながら18世紀~19世紀の史料整理は、前年度に新発見史料が思いの外多数となったため、若干の遅れが出ている。現在も目録化作業を継続中である。 なお、23年度は位牌調査を久米島の旧家で行った。18世紀から20世紀までの家譜、父母記、位牌資料等、一連の家系資料群が整った旧家の資料収集はある程度の目処が立ちつつあり(現在までに5件)、24年度中には不足分を補えると考えている。 最後に、これらの資料を用いた系譜観の分析、検討であるが、この分析の指標についての検討を一部行いつつあり、これは次年度で本格化させる予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は未報告の久米島家譜資料群の整理を目的の一つとしているが、未発見の資料も数点ていど存在していると予想していた。しかしながら22~23年度中に新たに発見した家譜史料は19点(写本含む)と予想以上に多かった。このため23年度はその内容確認と整理作業に時間を要し、未着手のものなど若干遅れが出ている。また、久米島旧仲里村側の資料収集が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
22年度中に多くの新資料が発見されたため、調査整理時間が割けず手薄となっている久米島旧仲里村側の資料収集と整理のため、過去に旧仲里村の家譜調査を行った金城善氏(糸満市役所)を研究協力者に依頼した。24年度中にこれまで収集した19世紀までの家譜史料の目録化に見通しを得たい。また位牌調査に関連して位牌に記載される内容ばかりでなく、形や形式、製作等の問題を検討するために、データ収集と検討を平行して行う予定。今年度は旧暦閏月年にあたり位牌書き換え等が行われることが多いと予想される。とりわけ古い形式の位牌などの調査を早急に行いたい。
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Research Products
(1 results)