2012 Fiscal Year Annual Research Report
身体性構築における個人の主体性と多様性―衣服とタタウを中心に
Project/Area Number |
22520834
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
桑原 牧子 金城学院大学, 文学部, 准教授 (20454332)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | フランス領ポリネシア / 衣服 / イレズミ / 身体 |
Research Abstract |
本年度は、衣服とタタウによって私的・公的領域の区分がどのようにつけられているか、また、いかにアイデンティティの構築が行われているかを明らかにするためフランス領ポリネシアにおける現地調査を中心に研究を進めた。フランス領ポリネシアのタヒチ島で現地調査を2週間にわたって実施した。パペーテ市内にあるテイラーおよびブティック、マルシェ(中央市場)にて主に女性服のスタイルとテキスタイルの種類にはどのようなものがあり、それが年齢やエスニシティごとにどのように選択されて着用されているのか、また、それぞれの衣服がどのような機会(普段着、日曜礼拝用、結婚式用、ディナー用など)に着用されるのか、販売の仕方には既製服での販売とオーダーメイドでの販売があるが、購入者はどのように選んでいるかについて販売店員やテイラーにインタビューをしながら調査を行った。 タタウ(イレズミ)についても、タトゥーショップやマルシェにあるスタンドにて、どのようなスタイルや模様が彫られ、エスニシティや年齢や職業によってスタイルや模様の選択が異なっているかを調査した。イレズミのスタイルの流行は研究者が以前に調査していた頃とは変化しており、現在はトンガ、サモア、ニュージーランドマオリなどポリネシアの様々な地域の模様やスタイルを組み合わせられて構成されたタタウが流行していた。また欧米人観光客や在フランス領ポリネシアのフランス人がタタウを彫り、ポリネシア人の間ではジャパニーズスタイルを好んで彫る傾向がみられた。 研究初年度に行ったポリネシア人の写真の収集も継続して行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現地調査の期間が2週間しか確保できず、インタビューや参与観察による情報収集が足りない。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で収集を行い、24年度においても継続して収集してきたポリネシア人の写真の分析により集中することによって、衣服とタタウにみられるポリネシア人の身体構築の在り方を研究したい。
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