2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本型議院内閣制の実態と内閣統治の憲法統制に関する研究
Project/Area Number |
22530038
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
加藤 一彦 東京経済大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30256292)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 憲法 / 議会政治 / 参議院 / 両院協議会 / 基本方針決定権限 |
Research Abstract |
本研究は、日本の議院内閣制の実態と憲法規範との乖離を明らかにし、憲法規範から見たあるべき議会政治の姿を抽出することにあった。とりわけ、21世紀初頭の日本の議会政治が、「逆転(ねじれ)国会」を経験したことで、新たな段階に入ったと考えられる。そこで、本研究では時間軸に沿って、①小泉郵政解散後における解散権のプレビシット的性格、②「逆転国会」後の国会運営、③参議院の機能などに関し憲法理論の再構築を試みた。また、研究手法としては、ドイツ型議院内閣制との比較憲法論的アプローチを試みた。というのも、ドイツ連邦議会と連邦参議院の関係性は、日本の両院関係性と法的に相似していると思われるからである。 具体的には、次の点に関し論文を公表した。①両院協議会論、②ドイツ連邦参議院の憲法的地位論、③ドイツ法案審議合同協議会の法的地位と機能、④内閣の「基本方針」決定権限に関する日独の相違、である。 ①については、「逆転国会」が継続している現状において、両院協議会が、「なぜ成案作成機能をもたないのか」を1947年以降の実態に即して歴史的に分析した。そこでは、両院協議会が旧議院法の流れを汲み、そもそも合意形成する法的環境がないことを明らかにした。②及び③では、ドイツ憲法理論と判例理論を渉猟しつつ、連邦参議院が、本来的に第二院の性格をもたず、それ故に連邦参議院自体が、抑制的に行動している点を明らかにした。また法案審議合同協議会では、日本とは異なり、「逆転国会」がある場合にも、与野党が「成案」を獲得できる法的環境があることを明らかにした。特に、85%の成案獲得率が、協議員の質とも関係している点は、特記すべきことである。④では、内閣統治のあり方について、日本の首相権限とドイツの連邦宰相の権限の相違について分析を行った。解散権行使の法的制限の有無、「基本方針決定」権限が内閣の連帯責任制と関連することを解明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)