2012 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員裁判における法医学証拠の提示方法と事実認定の適正化に関する研究
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22530069
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
南部 さおり 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10404998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 敏 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20173487)
西村 明儒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60283561)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 事実認定と医学証拠の相互作用 / 刑事司法と医学証拠の実際 / 医学概念と市民感覚 |
Research Abstract |
当該年度は、特に近年注目を集め、様々な問題が指摘されている、以下の問題に特化して調査・研究を行った。 (1)乳幼児揺さぶられ症候群(SBS) SBSは、その医学的説明の明快さから、広く一般に受け入れられている反面、裁判員裁判においては、その概念に対する誤解や先入観の危険性が指摘できた。その成果については、2012年10月に米国ボストンで開催されたTwelfth International Conference on Shaken Baby Syndrome/Abusive Head Traumaにおいて、The findings of fact and the roles of medical evidences in Japanese criminal cases of SBSの演題で口演発表を行った。同報告内容は米国内外の聴衆の注目を集め、主催者において、次回開催の同学会でのfollow-up研究の発表への要請があった。 (2)柔道における頭部外傷 これまで柔道事故は民事紛争として存在してきていたが、近時、刑事告発される事例が後を断たず、今後裁判員裁判の対象となることが想定された。そこで、これまでの柔道事故裁判における事実認定と医学証拠との相互作用にに注目し、その医学的知見に対する一般市民による理解と判断について研究を行った。その成果は、「『公知の事実』としての柔道事故―柔道必修化に伴う諸施策と、横浜地裁柔道事故判決の意義について―『横浜市立大学論叢 人文科学系列』64巻1号、87-109頁にまとめられた。また、9月に開催された「全国柔道事故被害者の会 第5回シンポジウム」において、「柔道事故と医学証拠・裁判」のタイトルでの講演を行い、柔道事故被害者をはじめ、法曹実務家やマスコミとの継続的な研究・実務連携を取ることとなった点で、非常に有用な成果をあげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)