2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22530111
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 昌孝 茨城大学, 人文学部, 教授 (10240681)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 選挙行政 / フィリピン政治 / 選挙研究 / 電子投票 / 情報通信技術 |
Research Abstract |
平成14年度は、2012年4月に8日間フィリピンに滞在し、マニラの選挙監理委員会等で調査を行う一方、カガヤン・デ・オロ市のザビエル大学で開催されたフィリピン政治学会に参加し「Toward a More Warkable Party-List System in the Philippines: Open Participation and A New Seat Allocation formula with a Built-in Safeguard against Domination By the Traditional Forces」と題する報告を行った。また、この機会にフィリピン内外の専門家との研究上の意見交換を行った。 10月には、マニラにて、2013年5月予定の上下両院議会選挙と地方選挙の同時選挙における自動化及び下院政党名簿制選挙に関する調査を行ない、2013年3月には、マニラを再訪し、選挙管理委員会での調査、デ・ラ・サール大学での専門家との意見交換を行った。また、フィリピン外務省にて、海外不在者投票(在外選挙)に関する調査を2013年5月にいくつかのフィリピン在外公館を対象に行う上での便宜供与を依頼した。 その他、上記フィリピン政治学会での報告を基にした論文「Toward a More Workable Philippine Party List-System: Addressing Problems of Sectoral and Proportional Representation」を『Philippine Political Science Journal』に投稿し、その第4巻1号(2013年6月号)に掲載が決定した。また、関連する書評を1本発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の当初研究目的の達成度は、全体としておおむね順調に進展している。フィールド調査に関しては、市民団体等の民間関係者に対する調査に困難があったが、選挙管理委員会等の公的関係機関に関しては問題なく、現地の研究者との交流には、研究内容に関心が持たれたため期待以上のものがあった。理論面では、当初フィリピン一国研究から始めたものの、他国の事例との比較を通して、予期せぬ発展の可能性が開けるなど、予想以上の展開があった。本件研究課題は、平成25年度を最終年度とするが、この比較研究及び理論研究の展望は、次の研究課題の中心となる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の最終年度に当たる平成25年度は、平成25年5月13日に上下両院議員選挙と地方選挙が同時に実施されることから、まず、それを中心にフィリピンにおける選挙自動化のフィールド調査、及び海外不在者投票に関する在外公館での聞き取り調査を行う。次に、これまで全4年間の調査結果を総合し、情報通信技術を駆使した自動化に関する論文を執筆(2010年同時選挙における自動化に関する論文は、すでに発表済みであるが、2013年の自動化を総合した内容となる)し、また、海外不在者投票に関する論文を発表する。これらは、平成26年度以降に実施するより発展した比較研究及び理論研究の基礎となる予定である。
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Research Products
(3 results)