2010 Fiscal Year Annual Research Report
西欧キリスト教民主主義:その「危機」と革新の可能性
Project/Area Number |
22530115
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
水島 治郎 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (30309413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土倉 莞爾 関西大学, 法学部, 教授 (00067703)
野田 昌吾 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50275236)
中山 洋平 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (90242065)
伊藤 武 専修大学, 法学部, 准教授 (70302784)
津田 由美子 獨協大学, 法学部, 教授 (30247184)
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Keywords | キリスト教民主主義 / コミュニティ / 国際情報交換 / 政治的革新 / 比較政治 |
Research Abstract |
本研究の目的は欧州最大の中道右派勢力であるキリスト教民主主義政党における、危機と革新の可能性を明らかにすることである。20世紀後半の西欧諸国の大半で政権の中核に位置していたキリスト教民主主義政党は、1990年代に相次いで選挙で大敗を喫し、下野を余儀なくされたが、2000年代に入ると党改革を経て支持を回復させ、政権に復帰する例も出てきている。そこで本研究は、ヨーロッパ各国の比較を交えつつ、各国のキリスト教民主主義政党を襲った「危機」の構造と展開を示し、現代欧州政治のダイナミズムを明らかにする。研究初年度である平成22年度は、まず本研究プロジェクトの基礎構築のため、以下の作業を行った。(1)研究メンバーが、各国の歴史社会文化的文脈を踏まえつつ、各自の担当国について、キリスト教民主主義政党や他勢力の歴史と現状について資料収集を行った。特に水島・伊藤・土倉は現地に赴き、一次資料の収集にあたるとともに、現地の研究者らと意見交換を行い、最新の研究成果を吸収した。次に(2)研究会の開催を通じて各国の比較検討を行い、特にキリスト教民主主義政党を取り巻く「危機」の構造について分析を行った。その結果、西欧のキリスト教民主主義政党はいずれも構造的な問題を抱えているものの、その発現の程度は当該国における政党間競合関係のありかた、社会団体とのリンケージの態様などによって大きな相違が生じていることが明らかとなった。また(3)次年度にキリスト教民主主義研究のメッカとも言うべきルーヴェン大学の研究者を招聘してセミナーを開催することを決定し、準備を開始した。さらに(4)本研究プロジェクトに関するサイトを設置し、研究成果をひろく学界に還元することを試みている。以上の作業と並んで各自の論文執筆も進められており、野田・伊藤・中山をはじめとして本科研の成果が論文として公刊されている。
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Research Products
(5 results)