2011 Fiscal Year Annual Research Report
フランス保守の変容-フランス社会モデルの「危機」とサルコジ
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22530128
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
畑山 敏夫 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10180887)
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Keywords | サルコジ / フランス社会モデル / ネオ・ポピュリズム / 2012年大統領選挙 / マリーヌ・ルペン / 反エリート政治 / 新自由主義 |
Research Abstract |
サルコジ政権の主要な目的は、戦後のフランスで形成され、これまで支配してきたフランス社会モデルを転換することであった。昨年度は、そのような意図に沿ったサルコジの改革について、Gibert Boutte, Nicola Sarkozy facealacrise, L'Harmattan, 2010, P.Cahuc et A.Zylberg, Les reformes ratees du President Sarkozy, Flammarion, 2009.を中心に分析を行った。その結果、新自由主義の考え方に沿って、フランス社会モデルを経済競争力があり柔軟な方向に導く改革を推進しようとするサルコジの政治的方向性が明らかになった。ただ、そのような改革姿勢は、痛みを伴うだけに、そして、民衆層への再配分を犠牲にした改革であり、なおかつ、エリート主導のスタイルだけに、国民の中に大きな不満と批判を呼び起こした。2012年大統領選挙を意識して、昨年度の研究では、そのようなサルコジへの批判をポピュリズムの観点から補強する作業も行った。すなわち、J.Hayward (ed.), Elitism, populisme and European politics, Ciarendon PressOxford, 1996, P.-A.Taguieff, Lenouveau national-popyulisme, CNRS Editions, 2012.を中心として現代のポピュリズムについて理論面からアプローチしつつ、ネオ・ポピュリズムの観点からマリーヌ・ルペンによって率いられ支持を伸ばしている「国民戦線(FN)」について、サルコジ政権と大統領選挙との関係も含めて研究した。その結果、マリーヌのFNが保守有権者も魅了していることが明らかになり、2012年の大統領選挙にとっても、これからの保守の政権戦略にとってもポピュリズムへの対応が重要であることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
この4月に、長年にわたって研究に取り組んできたフランス緑の党について単著を刊行したので(『フランス緑の党とニュー・ポリティクス』(吉田書店)、その作業に大幅に時間を割く必要があったことと、他に分担者として参加している科研プロジェクトの研究も同時並行に研究したことによって本研究課題への取り組みが遅れがちになった。
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Strategy for Future Research Activity |
7月に開催される日仏政治学会と10月に開催される日本政治学会で本研究のテーマに沿った報告を行う予定なので、それに向けて研究の成果をまとめる作業に入りたい。
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Research Products
(2 results)