2010 Fiscal Year Annual Research Report
インターネットを通じた候補者・有権者間の情報―投票サイクルの研究
Project/Area Number |
22530145
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
岡本 哲和 関西大学, 政策創造学部, 教授 (00268327)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 章市朗 関西大学, 法学部, 准教授 (40368189)
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Keywords | 選挙 / インターネット / 情報政治 / 日本政治 / 政治過程 / 投票行動 / サイバー政治 |
Research Abstract |
本研究の目的は、議員・候補者による情報発信行動と有権者による投票行動との相互作用に焦点を合わせて、その様態を明らかにすることである。今年度は2010年参議院選挙を対象として、候補者ウェブサイトについての調査およびインターネットをつうじた有権者の選挙情報接触に関するサーベイ調査を実施した。 2010年参院選候補者ウェブサイトについての調査の結果からは、以下のことが明らかになっている。第1に、サイトを開設していた候補者は87.0パーセント(437名中380名)であった。国政選挙におけるサイト開設率は上昇していく傾向にあり、飽和状態に近づきつつあるといえる。第2に、候補者サイトへのアクセス数は、得票数に有意な正の影響を与えていた。これは、候補者による情報発信と有権者による投票行動との関連を示唆する結果である。第3に、アクセス数が得票数に及ぼす影響は、候補者の特性によって異なる。すなわち、大政党の候補者および現職候補者におけるその影響は、中小政党の候補者及び現職以外の候補者のそれよりも強くなる傾向があった。これは、通常化仮説を支持する結果である。 有権者の選挙情報接触に関するサーベイ調査については、参院選についての情報にインターネットをとおして接触した有権者618名をサンプルとするデータを用いて、現在分析を行っている。 これらの研究成果の一部は、欧州大学院大学(イタリア)における国際会議Democracy Observatory Conference : Internet and Votingで発表された。また、選挙啓発を目的とする講演会や市民大学講座などにおいて、研究代表者による研究の紹介が研究成果の社会還元の一環として行われた。
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Research Products
(5 results)