2012 Fiscal Year Annual Research Report
世界銀行の査閲(インスペクション)パネルとグローバル・ガバナンス
Project/Area Number |
22530171
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Research Institution | Hannan University |
Principal Investigator |
段 家誠 阪南大学, その他部局等, 教授 (20340846)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 世界銀行 / NGO / 査閲(インスペクション)・パネル / グローバル・ガバナンス / 市民社会 / 国際レジーム / アカウンタビリティー / カンボジア |
Research Abstract |
本研究は世界銀行(以下、世銀)の正当性と国際開発レジームにおける影響力を、世銀の査閲(インスペクション)・パネルの事例を調査研究することによって明らかにしようとしている。その目的達成のため、パネルの調査対象となった事例を現地調査し当該国の市民社会の現状を俯瞰しつつ、そのプロジェクトにおいてNGOsの活動がどのような役割や影響力を有したかをみきわめる。そこから、世銀組織内部でどのようにして開発援助に関する規範が形成され、それらが国際レジームにどのような影響をもたらしたかをみる。以上が研究目的である。 平成24年度は、国会図書館への文献調査を経て10月に東京で開かれたIMF/世銀年次総会に出席した。総会では、世銀のインスペクション・パネル主催のセッションに主に参加し、日本と諸外国のNGOの関係と動向について意見交換と情報収集をした。セッションでは積極的に発言し日本の市民社会の現状と課題、パネルの直面する問題について意見を述べた。総会では、日本政府の東日本大震災からの復興が印象づけられる一方、総会参加者の地元経済への波及効果が期待されるばかりで、日本の市民社会の成熟に関してはあまり関心が高まっていなかった。 3月には、カンボジアの土地管理プロジェクト(LMAP)について、平成22年度に次ぐ現地調査を行った。プノンペンの土地収用問題に絡んで、非自発的な移住が問題となったプロジェクト・サイトではすでにボンコック湖の埋め立てが完了し、現地コミュニティはすでに寸断された状態となっていた。世銀の関与が終了した後も国連が人権状況について懸念を表明しており、現地NGOと国際社会の関心は今も高い状態であることが確認できた。 グローバル・ガバナンスの担い手である国家と国際機関(世銀)の役割は依然大きく、市民社会の発展は漸進的であり、先進国と一部途上国において限定的であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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