2011 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにおけるバイオエネルギー関連投資の波及効果:応用一般均衡モデルの適用
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22530256
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
國光 洋二 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農村基盤研究領域, 上席研究員 (30360390)
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Keywords | 応用一般均衡モデル / 地域間産業連関表 / 第2世代バイオエタノール / 貿易連携 / 計量経済 / 生産波及効果 |
Research Abstract |
1.バイオエネルギー投資額の将来予測 食料との競合を避けつつ効率的な生産が行われた場合のバイオエネルギー生産額(費用及び温室効果ガス排出が最小となる各国の生産額及び貿易額)を推計した。その推計値をもとに,必要となるバイオエネルギー投資額を東アジアで稼働している生産プラントの現地調査等のデータから推計した。 また、先行研究や現地調査資料をもとに、ベトナムにおける稲わらからのバイオエタノール生産のコストを推計した。 2.東アジア産業連関表及びSAMの推計一 1.のデータをもとに、パーデュー大学が公表しているGTAP7のデータと,各国の産業連関データや貿易統計等のデータを用いて,東アジア(ベトナム,カンボジア,ラオス,マレーシア,タイ,シンガポール,フィリッピン,インドネシア,中国,韓国,日本)を対象とする地域間産業連関表(拡張I/0表)を推計した。推計では、RAS法を適用して需給バランスを確保した。この産業連関表をもちいて、ベトナムにおける稲わらからのバイオエタノール生産の環境面の影響、経済面の影響を統合的に評価した。 3.動学応用一般均衡モデル(プロトタイプ)の作成 東アジアの地域間産業連関表をもとに、社会会計行列(SAM)を推計し、来年度の動学応用一般均衡モデルによるシミュレーション分析に備えて、資本ストックの蓄積過程を内生化した動学地域CGEモデルを推計した。モデルの作成では,(1)リカーシブ・タイプ(逐次動学体系)のモデル構造としたこと、(2)経済成長率を内生化し,公的資本ストックや研究開発投資等の要因を考慮したこと、(3)エネルギー部門を明示したこと、等の工夫を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度までの研究成果についてとりまとめ、論文3本、学会発表5件として公表しており、当初の計画通り研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、成果について論文としてまとめて投稿する予定である。研究遂行上の問題点は特にない。
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Research Products
(8 results)