2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢社会における医療看護介護ケアミックスモデルの検証
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22530266
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岩尾 聡士 名古屋大学, 経済学研究科, 教授 (90340299)
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Keywords | 地域医療連携 / 医療看護介護連携 / ケアミックス / 機能分化と連携 / 介護支援専門員 / 医療教育 |
Research Abstract |
超高齢化社会を迎えた現状に鑑み、医療・看護・介護を連携とした仕組みの構築に向けた研究活動を実施した。現在、問題の肥大化している福祉・介護の分野への対応が喫緊の課題であると考え、医療看護介護の機能分化、受け皿の設備の整備、医療看護介護の連携が必要であり、その為の連携システムの構築とそれに伴う人材教育や組織作りを目的としている。ハード面では高齢者用住宅の研究、ソフト面では医療・看護・介護における連携の課題の洗い出しを行った。 春日井市と連携し、当地区における医療介護連携への取り組みを協働で行った。介護保険開始後は医療職を基本職種とするケアマネジャーが8割だったが、現在では2割にも満たない。代わりに介護職からケアマネジャーになる人数が多くなり、医療的知識が不足し、医師や看護師とのコミュニケーションに問題が生じていること、またケアプラン作成に問題があることが分かった。挨拶状、連絡票、在宅情報連絡票、ケアマネジャー医療相談用チェックシートの4つのツールを開発し、本課題解決にアプローチした。なお本研究活動は第14回在宅医学会にて演題発表を行った。 愛知県下主要病院の地域連携担当部門(退院支援室、医療連携室等)とコンタクトをとり、アンケート送付、「ちいきれんけい通信」の配信、インタビューを行った。アンケートに関しては回収率約6割にまで上った。地域連携部門が病院に設置されたのも数年前であり、担当者自身も何が課題であるか気付いていない状況で、ヒアリング等は課題抽出に効果的であった。各病院共通のテーマが浮き彫りになることもあれば、異なるタイプの病院の知識が欠如しているケースもあることが分かった。医療保険制度を調査するだけでは気付かない現場の慣習にも気付くことができた。課題抽出の為の効果的なネットワーク作りが形成できたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自治体と協働で現場の主要メンバーと課題抽出、解決策考案、実施のプロセスを行うことができ、また平成24年度も継続することが可能となった。また愛知県下の地域医療連携部門とのネットワークが形成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の研究活動を継続的に行い、当研究活動の認知度を高める。今後は病院の新たな受け皿となる住宅・施設への問題解決に向けた介入を行い、より現場に密着した意義のある研究活動を行う。
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