2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢社会の公共政策策定のための新たな人口推計に関する研究
Project/Area Number |
22530301
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉田 浩 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60275823)
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Keywords | 高齢化 / 少子化 / 人口推計 / 実証分析 / 出生率 / スウェーデン |
Research Abstract |
●1.本研究の目的は、従来の人口統計学の手法を拡張し、家計の出生行動に関する経済モデルを用.いた新たな将来人口推計のためのプロトタイプモデルを開発し、税、財政、社会保障等の公共政策決定のために推計結果を提供することである。 ●2.平成23年度の研究においては、日本の将来人口推計を検討するため、北欧福祉国家で日本と比較対象となり、参考となるスウェーデンにおいて研究資料収集および学者討議をした。その研究過程において、日本を含むOECD諸国内の出生率を社会経済変数によって分析したところ、日本固有のダミー変数の偏回帰係数は優位ではなく、統計的に希釈されることが明らかとなった。このことは、高い出走率を維持している北欧諸国と日本の低出生率は共通の経済モデルによって説明可能であることが明らかとなった。H.Yoshida(2011) "A Comparative Study on the Fertility Difference between Scandinavian Countries and East Asian Countries," mimeo. ●3.平成24年1月に公表された新人口推計を前回の人口推計と比較しながら解題を行った。その結果、「新人口推計において出生率がやや持ち直すという傾向を反映して、将来の高齢化率が若干低下したとはいえ、高齢者数は増加傾向にあり、将来の日本の高齢者福祉の重要性やそのための財政支出は軽減されることはないと言える。(吉田(2012))」ことが明らかとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の台湾、スウェーデンでの資料収集も終了し、新人口推計も入手し最終年度のオリジナル推計の試作品のための準備はおおむねは整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、これまでの研究資料にもとづき、国民にわかりやすい形の人口推計結果を提示し、政策的に利活用可能な将来人口推計を行い、結果を公表する。
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Research Products
(1 results)