2012 Fiscal Year Annual Research Report
戦前以来のわが国国債流通市場の効率性と国債管理政策
Project/Area Number |
22530319
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
釜江 廣志 東京経済大学, 経済学部, 教授 (60091542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋森 弘 北星学園大学, 経済学部, 教授 (00285511)
皆木 健男 北星学園大学, 経済学部, 准教授 (70438349)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 国債シ団 / 市場効率性 / 電電債市場 / 公的部門 / イールドカーブ / スポットレート / 国債先物市場 / 流動性 |
Research Abstract |
釜江は、明治から昭和戦前期までの国債・地方債・社債の各市場を取り上げ、とりわけシ団との関わりを中心にどのように変遷してきたかを調べた。併せて、大正4-昭和17年までの甲号5分利債・4分利債等を取り上げ、市場の効率性が見られたかを検証した。得られた結果によれば、各銘柄の市場とも非効率的であったとみられる。その原因として公的部門が市場に参加していたことがあげられよう。また、戦後の長期国債が発行されない時期に活発に取引された電電債の市場も効率的ではなかったとの結論を得た。これらを勘案すると、公的部門だけが参加できる国債流通市場が検討されてよいのではないか。 秋森は、マクロ経済動向と国債現存額がイールドカーブの形状に与える影響を分析し、最近のイールドカーブのスティープ化を引き起こした要因を考察した。得られた結果によれば、国債現存額の増勢ペースの高まりイールドカーブをスティープさせているが、各主成分固有ベクトルが標本期間を通じて安定的であることから、財政悪化懸念による国債市場に構造変化は今のところ起きていない、短期国債現存額の増勢ペースが高まるとカーベチャーを弱めつつ3期のラグをもってイールドカーブをスティープ化させ、さらに長期国債現存額の増勢ペースが高まるとイールドカーブが上方にパラレルシフトしてスポットレート全体を押し上げる可能性を示唆する。 皆木は、東証において取引されている日本の長期国債先物市場における流動性と取引コスト,リスクの関係について分析した。得られた結果によれば、リスクが高まると流動性は低下する、取引コストが大きくなると流動性は低下する、リスクが高まると取引コストが上昇する。また、マクロ経済指標を用いるイベント・スタディからは次のことが示される。マクロ経済指標の発表により市場において流動性指標とボラティリティが大きくなり流動性の低下をもたらすことを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)