• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Annual Research Report

技術者・研究者等の活性化のための新たな組織均衡/調整システム構築に関する調査研究

Research Project

Project/Area Number 22530445
Research InstitutionKwansei Gakuin University

Principal Investigator

野瀬 正治  関西学院大学, 社会学部, 教授 (20340896)

Keywords経営学 / 社会学 / 社会法学 / 民事法学 / ADR
Research Abstract

2011年度の主な研究は、質問紙による量的調査の実施や国際比較調査の実施およびこれまでに実施した調査研究結果のレビューなどであった。特に、本年度実施した量的調査の狙いのひとつは、技術者・研究者のモチベーション要因と阻害要因を新たに明確にし、その解決方法を探索することであった。具体的には、モラールと紛争解決状況の関係を明らかにするために,研究・技術系社員に対して,モラールの状況と紛争解決状況を5点尺度により調査を行った。すなわち、紛争解決状況を,モラールの高いグループ(以降,(H))とモラールの低いグループ似降,(L))で比較すると,(H)は(L)に比べて良好で,(H)と(L)別に平均値を求めt検定を行うと,(H)の平均は3.07であり,これに対して(L)の平均は3.90で,有意水準1%で有意差(t=-5.323,df=126,p<.01)があり,モラールの高いグループにおける紛争の解決度は,モラールの低いグループより高いことが分かり、さらに,モラールを高める要因および低める要因別に,1.仕事に対する年収,2.仕事の進め方の裁量度,3.発明・技術開発等の報奨金,4.仕事内容,5.上司・会社からの評価・承認,の各項目について,研究・技術系社員に聞くと,回答は同じではなかった。すなわち、モラールアップ要因(以降,(U))とモラールダウン要因(以降,(D))があり、(U)と(D)の回答についてFisherの正確確率検定を行うと正確有意確率は0.00で,モラールアップ要因としての回答とモラールダウン要因としての回答は異なった(p<.01)。また,調整済み標準化残差分析において「1.仕事に対する年収」は,モラール低下要因として,「3.発明・技術開発等の報奨金」は,モラール向上要因として,有意水準5%でそれぞれ異なった。一方,仕事に関しては,二要困理論同様,動機づけ要因として重要であることが分かった。報奨金は,報奨としての意味を感じる者にとっては重要な動機づけ要因であるが,年収については,比較すると積極的に動機づけをするというより不満となった場合にモラールを削ぐ要因(モラールダウン要因)としての位置づけが強かった。経済的要因はその意味付けによって影響が異なることも意味していた。モラールへの影響のあり方は一様でなく,モラール向上に直接影響する場合とそうでない場合があり,どのように影響を与えているかを踏まえてモラール管理をする必要があるものの,職場集団のより高いモラールを維持する取り組みとしての個別労働紛争の効率的な解決は,人事管理上,重要な施策であることが分かった。こうした実証的分析と論証は、「活性化のための要因分析・新たな組織均衡等の研究およびミクロレベルでの当事者間の調整システムの研究」における基礎的研究成果となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画に基づき確実に調査研究を進めているとともに、社会的関心が高くなってきた当該研究テーマに関して、メージャーな研究雑誌の特集の執筆依頼に応えて、調査研究成果を論文として公表した。2011年度は『日本労働研究雑誌』日本労働研修機構に公表した。2012年度は『ジュリスト』有斐閣で公表予定である。
また、2011年度は、研究者技術者本人に所属企業のバイアスを回避すべく、直接、量的調査を行い貴重なデータを収集することができた。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題は、年々社会的関心および必要性が高まっており、メージャーな研究雑誌で特集が組まれたり学会の大会での主要テーマになったりしている。それだけに今後は、これまで以上に集中的に調査研究が必要であるので、さらに努力を重ねる。また、研究テーマの性質が、学際的であるため、今後の調査研究を深めるためには、従来の学問領域を融合させながらの取り組みが求められている。例えば、『ジュリスト』の特集"これからの人事管理"は、法律、経営、社会学からのアプローチが求められており、研究代表者は、まさに、この3領域からのアプローチを行って現在、依頼論文の執筆に取り組んでいる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2012 2011 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Book (2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] わが国の個別労働紛争調整システムの課題:イギリスとの比較を中心に2011

    • Author(s)
      野瀬正治
    • Journal Title

      日本労働研究雑誌

      Volume: 第613号 Pages: 49-63

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 個別労使関係の調整システム2011

    • Author(s)
      野瀬正治
    • Journal Title

      人間的調整能力・制度の研究と実践(ADR)-職場の紛争解決を考える-

      Pages: 1-32

  • [Presentation] 個別労働紛争の企業内外での解決(ADR)促進-実態調査とACASからの示唆-2011

    • Author(s)
      野瀬正治
    • Organizer
      仲裁ADR法学会
    • Place of Presentation
      神戸大学
    • Year and Date
      2011-07-09
  • [Book] 「企画・開発・技術・研究者へのアンケート調査2011」報告書2012

    • Author(s)
      野瀬正治
    • Total Pages
      18
    • Publisher
      関西学院大学大学院社会学研究科野瀬研究室
  • [Book] 人間的調整能力・制度の研究と実践(ADR)-職場の紛争解決を考える-2011

    • Author(s)
      野瀬正治(編著)
    • Total Pages
      70
    • Publisher
      関西学院大学出版会
  • [Remarks]

    • URL

      http://www.kwansei.info/html/406.html

URL: 

Published: 2013-06-26  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi