2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報の非対称性のあるサプライチェーン・コーディネーションに関する研究
Project/Area Number |
22530464
|
Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
田中 正敏 松本大学, 総合経営学部, 准教授 (00252883)
|
Keywords | 部分最適 / 最適化理論 / 伝播モデル / 標準偏差 / 最適発注量 / 情報の更新 / 需要予測 |
Research Abstract |
この研究テーマを進めていく準備段階の年度で,情報の非対称性のあるサプライチェーンのコーディネーション(全体最適)を考える前に,各々の主体が自分自身の最適行動(部分最適)を行うことに焦点を当て研究を進めた.我々はここで得られた指標をベンチマークして捉え,今後の研究に備える.具体的な題材としては市場調査,需要予測,在庫管理などである.市場調査における製品やサービスの伝播モデルでは,従来,Bassモデルを代表とする確定的なモデルを構築し対処してきた.時代変遷に伴って,顧客の消費行動も変化している中,それに対応したモデル構築,例えば,確率的モデルを構築する必要が要求されている.今回,我々は確率過程を用いた伝播モデルを構築した.このモデルはある条件のもとではBassモデルにも同定できることである.その結果報告は,2011年にInternational Journal of Manufacturing Technology and Managementの学会誌に掲載された.また,我々が提案した伝播モデルから需要予測や在庫問題に適用できる.この伝播モデルから期待値はもちろん,標準偏差の指標も取り入れて評価をしている.例えば,予測の期間が長くなればなるほど予測誤差は大きくなる.この期間の長さ応じて誤差を小さくするためには情報の更新を行うことであり,我々は,このことを理論的にも示している.その研究報告は,23年度6月に開催されるJOMSA(Japanese Operations Management and Strategy Association)の国際会議に発表する予定である.以上のことから,第一段階として,各々の主体の最適行動を評価した.これに基づいて,情報の非対称性のあるサプライチェーンのコーディネーションの研究を進めていく次第である.
|
Research Products
(2 results)