2010 Fiscal Year Annual Research Report
国際監査基準が公監査基準に与えるインパクトと基準モデルの研究
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22530472
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉見 宏 北海道大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (90222398)
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Keywords | 公監査 / 国際監査基準 |
Research Abstract |
当該年度(平成22年度}は、企業の監査においては国際監査基準が国内基準化される、まさにその進行年度であった。これらの多くの基準は、平成24年度以降に適用されるが、中間報告という形でこれら基準が次々に公表されたのである。本研究は、これらの国際監査基準が公監査基準にどのようなインパクトを与えるかを検証することに意義がある。このため、本年度においては、まず公表される我が国の国際監査基準対応版の監査基準を検討し、関連資料を収集している。それらにおいては、一部分析も進めたが、そこでは、従前の監査基準と比較し、情報利用者の要求に基づく情報開示に対応した監査が求められており、これらは公監査分野でも同様に適用しうることが見いだされた。あわせてオーストラリアにおけるカンファレンス(APIRA2010)に参加し、公監査部分の先進事例といえるオーストラリアの資料も収集している。 これらの成果は、すでにその一部を学会の研究報告の中に織り込んで発表しており、かつ部分的には論文として刊行したところである。なお、我が国においてはいまだ統一的な公監査基準といえるものは存在していないが、現在、地方公共団体においては、その監査制度の改訂が地方自治法の改正を通じて議論されているところであり、その中で、いわば理想的な地方自治体のための公監査基準のモデルも議論されうる。本研究では、これらも踏まえることが必要であり、関連した先行研究の検討、資料収集も本年度にあわせてあわせて行っている。
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