2011 Fiscal Year Annual Research Report
17世紀から19世紀までの年度決算書、単式簿記と複式簿記の交差と融合に関する研究
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22530508
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
土方 久 西南学院大学, 商学部, 教授 (40069711)
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Keywords | 単式簿記 / 複式簿記 / 仕訳帳と元帳 / 簿記の検証 / 貸借平均の原理 / 財産目録 / 貸借対照表 / 損益計算書 |
Research Abstract |
複式簿記を包摂して「会計」へと進化したとするなら、簿記と会計の接点にあるのは「年度決算書」。19世紀の中葉のドイツでは、簡単な簿記ないし簡便な簿記としての「単式簿記」でしかなく、「複式簿記」はそれほど普及していなかったことから、年度決算書と単式簿記の関わりから解明した。世界で最初に、年度決算書となる「財産目録」を作成することが規定されたのは「フランス商事王令」。そこで、17世紀を代表するSavary,Jacquesの印刷本に続いて、18世紀を代表するde la Porte,Matthieuの印刷本、さらに、19世紀を代表するSchiebe,Augustの印刷本を解明することで、小売商は財産目録から「単式簿記」の貸借対照表を作成。小売商を除く商人、銀行家や卸売商は「複式簿記」の貸借対照表、したがって、残高勘定を作成して、「財産目録」の代用としえたことを論証しえたようである。本来、ドイツ諸都市に備付けられる商業帳簿から年度決算書を解明する積もりでいたが、資料の調査、収集がうまくいかず、印刷本による研究にシフトを移さざるをえなかったが、研究計画はかえって進展したようで、残すは「単式簿記と複式簿記の融合」と「研究の総括」をまとめるだけである。 これに併せて、私が疑問を持ったのは、16世紀に展開される「ドイツ固有の簿記」。簡単な簿記ないし簡便な簿記として、16世紀のドイツにかなり普及したのだが、16世紀末葉には、複式簿記に融合してしまうからである。そこで、「16世紀におけるドイツ固有の簿記とイタリア簿記の交渉と融合」についても解明して、すでに、拙著;『16世紀におけるドイツ固有の簿記の研究』も公刊している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
印刷本による研究にシフトを移さざるをえなかったが、17世紀、18世紀、さらに、19世紀を代表する印刷本を重点的に解明しえたことに併せて、「16世紀におけるドイツ固有の簿記とイタリア簿記の交渉と融合」についても解明して、すでに、拙著;『16世紀におけるドイツ固有の簿記の研究』も公刊しえたこと。
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Strategy for Future Research Activity |
残すは「単式簿記と複式簿記の融合」と「研究の総括」をまとめるだけで、著書として公刊することを予定している。しかし、改めて、私が疑問を持つのは、「会計情報」自体が多様な変革を迫られる状況にあって、しかも、この変革を可能にする開示「技術」が急速に進歩する状況にもあって、それでも複式簿記の枠にある会計、「複式簿記会計」であるのはなぜか。この問題を研究計画の中で見つめ直すことにしたい。 そこで、「記録の起源と複式簿記の記録」についても取り組み始めたところである。
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Research Products
(4 results)