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2011 Fiscal Year Annual Research Report

グローバル・シティ・リージョンズとしての日本都市の現状と可能性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22530555
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

玉野 和志  首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00197568)

Keywords都市 / グローバリゼーション / グローバル・シティ・リージョン
Research Abstract

初年度の研究によって明らかにされた中京圏の堅調さを東京圏と比較するために,豊田市周辺の現地視察を行った.その結果,やはり中小企業の集積がまだ維持されており,これと比較すると東京圏の大田区ではかなりそれが失われていることがわかってきた.グローバル企業との連接が産業地域の維持にとってきわめて重要であることが改めて確認された.この点で東京圏においては政策的なてこ入れが急務と判断されたので,改めて経産省ならびに港区の政策動向を確認した.その結果,いずれもようやく1990年代の中頃からグローバル化を意識した本格的な政策の転換が図られつつあることが確認できた.また,ごく最近の東京都の政策実行プログラムにおいても,若干の重点の移行が見られることが確認できた.以上の検討から,欧米では1980年代から本格化していったグローバル・シティ・リージョンズなどと関連する都市政策が,日本ではかなり遅れてようやく展開しつつあるという時期の違いのあることが明らかになった.この点は国際比較および国際発信という点で重要な知見である.
他方,これらのグローバルな展開が都市の具体的なコミュニティにどのような影響を及ぼしているかを明らかにするための戦略的な検討課題と対象地域の探索という本研究の目的を達成するために,東京圏の大田区と墨田区に焦点を絞って,行政資料等の収集と分析を進めた.その結果,特に大田区において製造業の集積が急速に失われつつあることへの危機感と,羽田空港の国際化を意識した政策の展開が見られることが確認できた.とりわけまちづくり条例を制定して住民参加による地域計画を推進することで,工業用地と住宅地の調整を図り,工業用地の集約と住宅地の整備を進めようとする政策的な意図が見受けられた.この点については,実際の動きがどの程度進んでいるかはまだ不明であるが,戦略的な事例を探索するうえでは非常に重要な発見であると考えられる.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画していた社会地区分析,自治体政策の現状分析を初年度予定通り完了し,今年度は現地視察,政策分析の補充とコミュニティレベルへのブレークダウンを達成し,対象とする基礎自治体を絞り込むことができた.ほぼ計画通りの進捗状況であるから.

Strategy for Future Research Activity

最終年度においては東京都大田区に焦点を絞って,担当部局への聞き取り調査も含めてより詳細な現状把握に努める予定である,その結果,どの程度の知見が得られるかはわからないが,次の機会に行う本格的な事例研究の対象地や課題を明らかにしたいと考えている.その状況にかかわらず,本研究のまとめとして,これまでの成果を報告書にまとめる予定である.そのことによって次に必要とされる事例研究の位置づけと解明すべき課題を明らかにしたいと思う.

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 都市研究の転換と家族・コミュニティ論の課題2012

    • Author(s)
      玉野和志
    • Journal Title

      社会学評論

      Volume: 62(4) Pages: 442-58

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2013-06-26  

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