2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22530587
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Research Institution | Kyoto Seika University |
Principal Investigator |
中島 勝住 京都精華大学, 京都精華大学人文学部, 教授 (00172320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 宏次 京都精華大学, 人文学部, 教授 (50554333)
四方 利明 立命館大学, 経済学部, 准教授 (90340489)
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Keywords | 学校統廃合 / 廃校舎 / 学校機能 / 地域社会 / 小規模校 / 山村留学 |
Research Abstract |
平成22年度の調査では、箕面市のとどろみの森学園や、福井県今庄小学校、和歌山県高野山口小学校において、統合に向けてそれぞれの地域でのさまざまな工夫や仕掛けを通して、地域と学校の関係を考える上で新たな試みに触れることもできた。さらに、東京都十思スクエア、京華スクエアのような廃校舎利用の複合施設、熊本県阿蘇のフォークスクール、鹿児島県吹上町の野首ギャラ-などのNPOや個人による廃校舎利用の実態調査からは、「廃校は致し方ない」として廃校に至ったものの、学校が地域との関わりの中で果たしていた機能の再生に取り組む地域の人たちの姿を見ることができた。 以上のような調査を踏まえた一つの実験の場として、12月、共同研究が長年関わってきた京都府南山城村において旧高尾小学校の旧図書室を借り受け、共同研究の「研究拠点」である「高尾図書室」を開設した。旧高尾小学校は、南山城村内の小学校統合により2002年度に廃校になったが、あまり特徴のない鉄筋校舎は5年以上放置された状態であった。同じように廃校になった田山地区にある旧田山小学校は、趣のある木造建築ということもあり、村外のアーティストによる工房やギャラリーが入ることによって、活性化の兆しが見えているが、旧高尾小学校については、地区内でも校舎利用の動きは見られなかった。私たちはこれまで、さまざまな地域における調査を通して地域に対する学校機能を考察・分析してきたが、統合によってなくなった教育機能をにわかに回復させることは難しいとしても、教育機能以外の機能、例えば、地域行事の集約点としての機能については再生できるのではないかと考え、旧高尾小学校において、まずは地区内唯一の図書館機能を備えた「コミュニティースペース」としての再生を試みることにした。週1日の開室だが、これまでのところ、コンスタントに十数名の利用がある。映画会などの試みも始まり、地区内での期待も大きくなっている。
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Research Products
(4 results)