2010 Fiscal Year Annual Research Report
うつ経験者の回復期支援法-自分史分析(4テーマ分析法)を用いた支援の効果
Project/Area Number |
22530616
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
杉原 俊二 高知女子大学, 社会福祉学部, 教授 (50259644)
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Keywords | うつ / 自分史分析 / 生活史分析(半生分析) / 4テーマ分析法 / ナラティブプラクティス |
Research Abstract |
1. 予備調査:(1)「自分史分析(生活史分析)をおこなった健常者に対する追跡調査」中年期の健常者へ半構造化面接をおこない、自分史分析が効果的であったのかを検討した。対象者は、「生活史分析」を実施した12名(男性12、女性1)であった(年齢は、平均で46.8歳。41~49歳)。「生活史分析」の実施前と実施後については、12名から肯定的に変化した(つまり、効果があった)という回答であった。具体的には、「転職に踏み切れた。満足できている」「40歳すぎに始まった、一時的なうつ状態を乗り切れた」「今までの苦労が必要なものであることがわかった」といった内容。 (2) 「『うつ経験者』に対して生活史分析をおこなった事例の追跡調査」対象者へ半構造化面接をおこない、自分史分析が「うつ症状からの回復」に効果的であったのかを検討した。対象者は、「生活史分析」を実施した「うつ病経験者」2名(男性。年齢は平均で46.2歳、45~47歳)。「生活史分析」の実施前と実施後については、2名から肯定的に変化した(つまり、効果があった)という回答であった。1名は「劇的に変化した」としており、うつ尺度からも症状が回復していることがわかった。もう1名は「じわじわと効いてきた」としており、自分を肯定して生きることが可能になった。 2. 本調査:「『うつ病経験者』の回復期における生活史分析の実際(の1部)」回復期にある「うつ病経験者」に自分史分析(4テーマ分析法)をおこない、その手順と効果を確認する。同時に問題点を調べ、それに対する改善方法を検討した。対象者は、2名(男性。年齢は平均で43.2歳、41~45歳)。手順としては健常者と同じで問題はなかった。特に、第1回面接と第2回面接が同一日に実施可能であった。また、病気や自殺企図などの「うつをめぐる語り」で、実際の症状より軽いように言ってしまう傾向があることが示唆された。
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Research Products
(2 results)