2011 Fiscal Year Annual Research Report
被虐待児の非行化への対応における社会福祉と司法の協働に関する研究
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22530642
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤原 正範 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (90410935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 英義 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (60331295)
橋本 和明 花園大学, 社会福祉学部, 教授 (80434687)
村尾 泰弘 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (30308126)
松原 新 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 教授 (40330617)
遠藤 洋二 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (90588716)
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Keywords | 被虐待 / 非行 / 児童養護施設 / 児童相談所 / 愛着 / トラウマ / 司法機関 |
Research Abstract |
本年度計画した3つの研究活動の進捗状況は次のとおりである。 1.研究会の実施 東海、関東、関西地区で4回の研究会を開催した。いずれの研究会も、それぞれの地域の複数以上の児童養護施設等の施設長、児童指導員、心理職員などの出席を求めた。研究会では、各施設の現状報告を受けた後、被虐待による施設入所、その児童の非行化という道筋をたどった典型的な事例の報告と出席者全員での討議を行った。事例研究は、被虐待の内容、児童と家庭の特性、非行化の要因を明らかにし、合わせて施設や児童相談所による支援方法を検討する方法である。なお、研究会で施設入所児の国際的動向に詳しい岩崎浩三(日本ソーシャルワーカー協会)に、講演会に参加してジェーン・ソバーン博士(イギリス)に本研究のテーマについて教示を受けた。 2.児童養護施設等の調査 共同研究者の議論によって、児童養護施設に対して統一的な調査票を用いた調査を行うことは現時点では困難であるとの結論を得た。施設は、内部の非行問題に関する情報を外に出すことへの抵抗感を有しており、研究者と施設との十分な信頼関係が求められる。研究者の非行児支援に関する提案が効果を上げるというような実績の積み重ねが必要である。本年度の研究会後、各研究者はそれぞれの地域の施設との関係を維持しており、将来の調査に備えている。 3.研究成果の公開 平成23年12月2~3日の子ども虐待防止学会茨城大会において「被虐待児の非行化への対応における社会福祉と司法の協働」と題する分科会を企画し、現時点までの研究成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
児童養護施設等に入所中の被虐待の児童が、学童期後半、青年前期に非行化する事例について、施設から詳細な情報を得て検討を行うという形の研究を継続している。予定した3地域(東海・関東・について、それぞれ児童福祉の実践者にも多数参加してもらうことができ、深い議論を行うことができた。個別の事例研究という形では、当初の研究目的に沿った成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者間の話合いの結果、当初の研究計画で掲げた各地域の施設の実態調査は、本研究期間中に実施は困難であるという結論に至った。さらに事例研究、実際の支援を続けることを優先し、各地域における幅広い実態調査は将来的に取り組む課題としたい。 本年度は本研究の最終年度であり、現在までに実施してきた事例研究を、十分な倫理的配慮を行った上で、各共同研究者の視点でまとめることを計画している。なお、合わせて、本テーマの研究をさらに深化させる方向で、来年度以降も研究を継続をすることを検討したい。
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[Book] 司法福祉2012
Author(s)
藤原正範
Total Pages
40-59 109-128 201-220
Publisher
生活書院
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