2012 Fiscal Year Annual Research Report
社会的ジレンマ場面における手続き的公正の共益的視点導入効果:札幌市廃棄物政策事例
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22530667
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大沼 進 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (80301860)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会的ジレンマ / 手続き的公正 / 市民参加 / アクションリサーチ / 環境政策 / 循環が社会形成 / 社会関係資本 / ごみステーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、札幌市における廃棄物政策を題材として、手続き的公正が社会的受容に及ぼす影響と、環境配慮行動変容の長期的な追跡調査を行うことである。 前年度調査結果から、市民参加機会の手続き的公正が社会的受容に及ぼす効果に関しては、新ルール導入前も後もそれぞれ重要だが、一時点での効果は長続きしないことが明らかになった。つまり、計画づくりの段階だけでなく、施行段階、施行後と継続的な参加機会の必要性が示唆された。 本年度は、こうした札幌市における事例が、欧州の先進事例と比較して、どのような特徴があるかについて検討した。札幌市における市民参加の特徴は、単に、様々な時期に継続的に市民参加の機会を提供しただけでなく、多様な市民の層にアプローチをし、全市レベルからコミュニティレベルまで多層的な市民を想定して実践に結びつけていた点にあり、類例がほとんどないユニークなものと位置づけられる。 とくに、いくら参加機会があっても興味・関心のある住民しか参加せず、欧州でも低関心・無関心層を巻き込んで成功した例はほとんどない。日本固有のごみステーションによる収集制度は、低・無関心層でも最低限の協力をする必要性を生じさせる場として機能している。同時に、日常生活と自治体レベルの制度とを結びつけて考えやすくさせている。日本では日常的で当たり前のことだが、すべての住民が参加・実践できる窓口をつくることを制度的に実現させている点でユニークであることから再評価されるべきであること明らかになりつつある。 これらの知見は、国際的な会議や研究集会における成果報告とそこでの議論から得られたものである。 なお、前年度に実施した、地域活動が不活発でごみステーションも適切に管理されていない地域を対象とした調査結果をさらに分析し、国際人間環境学会で成果報告をすると共に、国際誌へ投稿し現在審査中となっている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)