2012 Fiscal Year Annual Research Report
社会的判断における誤帰属過程の顕在性・潜在性に関する検討
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22530676
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
外山 みどり 学習院大学, 文学部, 教授 (20132061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 歩 東京大学, その他の研究科, その他 (00406878)
太田 信夫 東京福祉大学, その他の研究科, 教授 (80032168)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 社会系心理学 / 社会的認知 / 帰属過程 / 因果推論 / 意識・無意識 |
Research Abstract |
本研究は、近年の社会的認知研究において注目を集めている、意識的・顕在的な過程と無意識的・潜在的な過程の問題を、誤帰属を中心にして検討しようと試みたものである。誤帰属とは、何らかの原因で生じた自己の主観的な感覚や心身の変化を、真の原因ではないものの、いかにも原因らしく感じられる要因に帰することであり、これによってさまざまな社会的な判断や情動が影響を受けることが知られている。 本年度は最終年度であるので、昨年までの実験結果を確認し問題点を吟味すると同時に、誤帰属過程の各段階について、その顕在性・意識性に関する理論的検討を行った。それによると、まず真の原因がある内的状態を生じる過程は潜在的・無意識的であるが、内的主観的状態そのものはある程度の顕在性をもつ場合が多く、それを別の原因に帰属した結果生じる最終的な判断は、通常、顕在的・意識的である。ただし、内的状態を別の原因に誤帰属する過程自体は、比較的無意識的であることが考察された。一般に誤帰属の過程は、本人に気づかれない潜在的な原因によって生じた内的主観的状態を、誤った原因に帰属することによって顕在的に説明するプロセスと考えられてきたが、誤帰属の推論過程そのものは比較的潜在的である可能性が指摘できる。 第2の方向の研究としては、選択・選好・意思決定などの場面における潜在的過程と顕在的過程の問題を検討した。選択場面の構造や選択肢、デフォルトの有無やその値は選択結果、直観的判断に大きな影響を与えるが、多くの場合、選択者はその影響に気づいていない。そのような場合に選択者は、選択に基づいて自己の態度などに関する顕在的な推論も変えるであろうか、という問題が検討された。これも潜在的な影響力が顕在的な過程を左右するか否かを検討したものといえる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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