2012 Fiscal Year Annual Research Report
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22530861
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
久保 富三夫 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00388084)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 大学院での長期研修 / 研究的実践者養成 / 学位論文の意義 / 研修の機会均等性 / 研修の職務性公認 / 研修の自由性 / 初任者の副担任化 / 学び続ける教員像 |
Research Abstract |
平成24年度は三つの柱で研究を実施した。第一に、平成23年度に実施した「大学院での長期研修が教員の力量形成・教育観等に与える影響に関する調査」結果に関する分析・考察である。その成果は「「大学院での長期研修が教員の力量形成・教育観等に与える影響」に関する考察―現職長期研修経験者対象調査から―」と題して、日本教師教育学会第22回研究大会(2012年9月9日、東洋大学)で発表した。骨子は次の4点である。①「大学院における長期研修」は、経験した人たちから研修形態・大学院の如何を問わず高い評価を得ている(「よかった」97.5%)。②大学院での長期研修は、修了後の教育実践、子ども観・保護者観や教育観、教師としての仕事や教師としてのあり方・生き方に大きな影響を与えている。③大学院修了要件として学位論文を必須としていることについて高い支持がある(84.6%)。④大学院での長期研修をより充実させるためには「一定勤務年数での長期研修機会付与制度」を軸として「教員研修の三つの原理」(機会均等性、職務性の公認、自由性)に基づく制度改革が求められている。第二に、初任者及び非正規教員の研修に関する実態調査と改革課題に関する研究である。研修内容や受動性の問題以外に、初任者(特に小学校)が学級担任をすること(複雑化した教育課題との関係)及びレポート作成・提出の方法(後日提出)による過度の負担の問題が存在する。非正規教員研修についての教育委員会の努力は確認できた。第三に、中教審答申(2012年8月28日)に関する考察である。骨子は次の3点である。①「学び続ける教師像」の「学び」に教育政策の枠内という制約をかけない。②学位論文が果たしてきた役割を教職大学院においていかに継承するかが課題である。③免許状制度を改変する場合に、その取得が教員に開かれたものとなる保障を構築することが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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