2011 Fiscal Year Annual Research Report
IT技術および学校空間を利用した児童美術文化の再生にかかわる実践研究
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22530949
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
三浦 浩喜 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (90282251)
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Keywords | 共同制作 / 美術教育 / 学校文化 / 学校建築 / IT技術 |
Research Abstract |
平成23年度の研究は、折からの東日本大震災並びに福島第一原子力発電所事故の対応及び復興の中で進められた。研究連携を結んでいたいわき市立中央台南小学校も避難所等々の対応及び地域復興の多忙さもあり、共同研究を進めることができなかった。 本年度は、近年の学校建築の状況とその空間の活用について研究を進めた。一つの例が、福井市立至民中学校の学校建築である。至民中学校は1年生から3年生までの縦割り(クラスター)を基本に学校経営を行う極めてユニークな中学校で、曲線を多用した建築及び中央ホールを中心に配置されたコミュニティスペースやクラスターごとの教室配置など、優れた学校建築である。この中で、中央の吹き抜けのコミュニティスペースに、クラスターごとに制作した五色の巨大な「のぼり旗」が展示されていた。クラスターごとの団結と学校全体の象徴的な役割を果たしていたと言える。このように、児童生徒のここの作品が個別に展示されるのではなく、共同作品が学校空間に展示されるというのは、まさに本研究の趣旨に合致するものである。 また、本年度は東日本大震災からの復興支援事業として例年行っている「自然体験学校」において、カラービニールを貼り合わせて巨大な巨人を10体つくり、これを闇夜の中で照らし出すというアクティビティを行った。巨人の展開図の制作に3Dソフトを使い、学生でもスムーズに進めることができた。このアクティビティは本学の子ども支援活動の象徴的なものとなり、本省からも高く評価された。また、このアクティビティは須賀川市立白方小学校からも要請があり、学校体育館で実施している。被災した子どもや教師、保護者、そして実施した学生にとっても極めて重要な活動となり得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災及び原発事故からの復興支援活動を進めながらの研究となったために、やや遅れている。一方で、震災復興活動に本研究の一部を位置づけることもでき、本研究の意義を確認することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、伊達市立保原小学校と協定を結びながら、実際に学校の中に児童生徒作品の展示方法について研究を行い、実際に展示し、子どもや教師からの反応を調査していく。 また、昨年度予定して実施できなかった建築関係の専門家の意見等をインタビューして調査していく。
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Research Products
(3 results)