2011 Fiscal Year Annual Research Report
言語活動を取り入れた活用型音楽学習の開発と評価-創作表現の日米授業比較をもとに-
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22530958
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
時得 紀子 上越教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (30242465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博之 早稲田大学, 教職大学院, 教授 (20207137)
村川 雅弘 鳴門教育学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (50167681)
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Keywords | 活用型音楽教育 / 言語活動 / 創作表現 |
Research Abstract |
音楽科の学習指導要領で新設された[共通事項]に掲げられた内容と共に、我が国における小学校の「音楽づくり」・中学校の「創作の活動」の領域に焦点を当てながら、教育現場での授業実践を踏まえた研究等に取り組んだ。主として東京及び上越、米国東海岸の公立学校を中心とした研究先進校における、身体表現活動を主軸とする言語を活用した活用型音楽学習の実践事例の授業分析を対象とした。 これらの研究成果として、H23年7月開催の国際音楽教育学会ISME(International Society for Music Education)アジア・環太平洋地域大会台湾大会誌への2つの投稿論文がフル・ペーパー掲載、並びにH24年開催のギリシャ世界大会誌でもフル・ペーパー掲載に採択された。同時にこれらの大会での口頭発表にも採択されるなど、国際的なレヴェルでも世界各国からの研究者に発信、貢献できたことは意義がある。 先述した授業分析からは、児童・生徒への身体表現や言語を生かした実践を経ることで、パフォーマンス評価や意識調査から子どもの意欲の高まりや、言語活動を通じた活動がより活発化した結果を得たことからも、取り組みの有効性が2年次においてさらに認められた。 これらの成果を踏まえた投稿論文が、H24年に中国北京で開催される日中教師教育研究集会国際大会、並びに韓国ソウルでの国際幼児教育学会において招待発表の機会を得た。 国内ではH23年10月日本音楽教育学会奈良大会での学会発表、鳴門教育大学から12月に出版された日中教師教育国際学会誌(英文ブル・ペーパー)、上越教育大学研究紀要、同学校教育センター紀要等で投稿論文が掲載された。 前回の科研である平成19-21年度の継続的な研究として、小・中学校を通じた9年間を見据えた視点からの今年度の研究成果を国内外にあまねく発信できたことなどからも、順調に進展させることができたものと捉える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先述のように児童・生徒への身体表現や言語を生かした実践によって、子どもの意欲の高まりや、言語活動を通じた活動がより活発化した結果を得ることができた。我が国と米国におけるこうした取り組みの有効性がこの2年次において、さらに認められた。また、これらを投稿論文によって成果発表した結果、国内外における学会発表、国際学会におけるプロシーディングスへのフル・ペーパー掲載という評価を連続して得ていること等からも、本研究がおおむね進展しているものと捉える。
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Strategy for Future Research Activity |
分担研究者及び国内外の研究協力者と研究を推進し、かつ研究論文への共同執筆を重ねるうちに次のような視点が新たに浮かびあがった。米国の実践事例への分析等からも、言語活動を取り入れた音楽学習の活性化においては、子ども同志あるいは、教師と子どものかかわりを意識し合う関係、あるいはこうした関係が生かされた状況下での活動の展開が極めて重要となるのではないかと捉えられた。そこで、本取組の研究協力者である認知心理学、発達心理学の学者の見識を得ながら、今後は人と人とのコミュニケーションのもたらす学習とその活性化という視座からさらに研究課題に迫っていきたいと考える。
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