2011 Fiscal Year Annual Research Report
教員養成・美術館・小中連携による批評力を育むグローバル時代の美術教育カリキュラム
Project/Area Number |
22530976
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 和世 広島大学, 大学院・教育学研究科, 准教授 (20363004)
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Keywords | 美術批評 / 図画工作 / 美術館教育 / 教員養成 / 鑑賞 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、以下の4点にまとめられる。 1つ目は、平成22年度に研究者、小学校教員、美術館学芸員の協力によって開発したアートカード教材を用いた授業の効果について児童対象のアンケート結果を基に検討し、検討内容を踏まえつつ広く学校で活用されることを目的として『広島県立美術館アートカード入門-鑑賞学習へのヒント-』を刊行したことである。 2つ目は、米国の教科書である『美術の探究(Explorations in Art)』を参照して、美術批評の活動に基本的な美術ボキャブラリーを小学校の低・中・高学年のそれぞれについて整理し、美術ボキャブラリーシートを開発したことである。 3つ目は、平成22年度に実地調査した米国ペンシルバニア州フィラデルフィア市で行われている「アートが話すよ!」の教育プログラムの分析を踏まえて、研究者、小学校教員6名、美術館学芸員2名との協力によって、パワーポイントを用いた鑑賞教材作成と授業開発を行ったことである。 3つ目は、平成24年3月に開催された全米美術教育学会ニューヨーク大会に参加し、学校と美術館との連携に関する研究の最新情報を収集したことである。また、米国ペンシルバニア州フィラデルフィア美術館やニューヨーク州メトロポリタン美術館などで行われている学校との連携による教育プログラムについて引き続き実地調査を行ったことである。 4つ目は、『広島県立美術館アートカード入門-鑑賞学習へのヒントー』を活用した教員養成用の授業を開発し、広島大学教育学部の授業科目である.「図画工作科教育法I」及び・「図画工作科授業研究」で実施したことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展していると判断されるが、本研究の研究協力者に入っていた中学校の美術科教員が本年度ほぼ1年間を通して病休であったため、当初予定していた中学校との連携は断念することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、教員養成、美術館、小学校、中学校の連携を通して、批評力を育む教育プログラムを開発することを目指しているが、研究協力者である中学校の美術科教員が病休に入ったため、中学校との連携は取り止め、教員養成、美術館、小学校との連携を中心に研究を進めることとする。
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