2010 Fiscal Year Annual Research Report
専門高校における日本版デュアルシステムの検証と総合的キャリア教育構築に関する研究
Project/Area Number |
22531001
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
名取 一好 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター基礎研究部, 総括研究官 (70026623)
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Keywords | 専門高校 / 職業教育 / 日本版デュアルシステム / キャリア教育 / 高大連携 / カリキュラム / 職場実習 / 汎用的能力 |
Research Abstract |
本研究は、「日本版デュアルシステム」の指定を受けた専門高校を中心として、本事業終了後2~3年目の詳細な検証を、学校、受入事業所、卒業生を対象とした調査を通して行い、その成果と課題を明らかにする。さらに、生徒の職業能力、職業観形成、ならびに汎用的能力の育成の視点から、「日本版デュアルシステム」などの職場実習を含む高校3カ年を通した職業教育カリキュラムの実態調査などを通して、職業系専門高校における総合的なキャリア教育の構築を目指すことを目的とする。 初年度に当たる平成22年度は、文部科学省の「日本版デュアルシステム」モデル地区(平成16~18年度の事業地区15地区、平成17~19年度の事業地区5地区)における研究成果報告書の整理分析およびこれらの地区の成果等の検証のための調査項目の検討を行った。また、群馬県沼田地域、山梨県国中地域、岐阜県加茂・多治見地域に調査依頼と予備調査を行った。その結果は以下の通りである。 1.いずれの地域においても、指定期間における本事業は高い評価がなされたが、事業終了後は規模を縮小するか、取りやめる地域が多く見られた。その原因は、予算や担当教員の負担増などが予想され、今後さらに調査を進める必要性を認めた。 2.規模は縮小されたが、他の事業(地域産業の担い手育成プロジェクト)と組み合わせて、さらに発展的な総合的キャリア教育を実践している山梨県立農林高校のような事例も見られた。 3.文部科学省の「日本版デュアルシステム」指定地域以外に、多くの専門高校で日本版デュアルシステムの実践が行われていることが認められた。
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