2010 Fiscal Year Annual Research Report
朝鮮半島の音楽プンムルとサムルノリによる日本型多文化音楽教育の教育内容と教材
Project/Area Number |
22531037
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
磯田 三津子 京都橘大学, 人間発達学部, 講師 (10460685)
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Keywords | 教材開発 / 多文化教育 / 音楽科教育 / 多文化音楽教育 / 在日コリアン / 韓国・朝鮮 |
Research Abstract |
平成22年度の研究の具体的内容は、次の二点である。第一は、2000年以降に出版された「多文化教育」、「多文化音楽教育」に関する概念を検討することである。第二は、聞き取り調査を通して、プンムルとサムルノリが演奏者の中でどのように意味づけられているのかについての調査である。 第一の課題である「多文化教育」と「多文化音楽教育」の概念に関しては、「多文化教育」と「多文化音楽教育」の考え方を複数の研究者の理論と実践を比較し、考察した。特に、その中でも、「多文化教育」、「多文化音楽教育」の中で、文化をどのように捉え、学習することができるのかについて、検討した。「多文化音楽教育」の概念や理論に関する研究は、朝鮮半島の芸能を多文化音楽教育として実践するための理論的な根拠として意義ある。 第二にあげたプンムル、サムルノリの演奏者を対象としたフィールドワークとして、大阪府、京都府、東京都で活躍する演奏者、教師、音楽講師に対して聞き取り調査を行った。その中の一名とは、日本型の多文化音楽教育の実践の試案を計画し、教員・保育師養成課程の学生を対象に実践した。また小学校で、プンムルやサムルノリといった楽器を使った実践に携わっている教師にも聞き取り調査を行い、記録としてまとめた。多文化音楽教育では、音楽を演奏する人々やそれが演奏される地域等についての情報も重要な学習内容として位置づけられる。平成22年度に行った聞き取り調査で得た情報は、多文化音楽教育としての授業実践において、プンムル、サムルノリといった芸能への理解を深めるための学習内容として位置づけることができるという点において重要である。
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Research Products
(2 results)