2011 Fiscal Year Annual Research Report
特別支援学校及び特別支援学級在籍児童生徒の視覚障害原因等に関する調査研究
Project/Area Number |
22531053
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柿澤 敏文 筑波大学, 人間系, 教授 (80211837)
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Keywords | 視覚特別支援学校 / 弱視特別支援学級 / 調査 / 視覚障害原因 / 視力分布 / 点字 / 重複障害 |
Research Abstract |
2010年7月に、全国視覚特別支援学校70校(含2分校)に在籍する児童生徒に対して視覚障害原因等の質問紙調査を実施し、3,375人の回答を得た。2005年以降、視覚特別支援学校は1校減少し、在籍児童生徒は371人減少した。重複障害児童生徒の割合は増加している。視覚障害原因は先天素因(51.4%)、未熟児網膜症(18.7%)、原因不明(12.7%)、全身病(8.1%)、腫瘍(6.0%)、外傷(2.3%)、感染症(1.3%)の順に多い。眼疾患の部位では、網膜疾患(50.1%)、眼球全体(20.8%)、視神経視路疾患(15.7%)、硝子体疾患(3.8%)の順であった。網膜疾患と視神経視路疾患、硝子体疾患が増加し、眼球全体や水晶体疾患は減少している。在籍児童生徒の1/3は普通文字使用が難しい0.01未満であった。小学部以上の文字使用者は2,542人(81.5%)で、重複障害等により文字指導が困難なものは348人(11.2%)であった。点字使用者が781人で減少傾向が続き、普通文字使用者は増加している。視覚補助具使用者は1,461人(43.3%)であった。同時期実施の弱視特別支援学級設置小学校・中学校を対象にした同様の調査の結果、小学校155校と中学校48校の児童241人と生徒57人より回答を得た。視力0.01未満が24人(8.0%)でその割合が若干増加する一方、0.01以上0.1未満の割合が減少傾向にある。視覚障害原因は、先天素因(55.4%)、未熟児網膜症(21.5%)、原因不明(11.7%)、腫瘍(6.0%)、全身病(4.0%)、感染症(1.0%)、外傷(0.3%)の順であった。部位別には網膜疾患(41.3%)、眼球全体(26.9%)、視神経視路疾患(10.1%)、水晶体疾患(8.5%)の順に多い。重複障害は、小学校で82人(34.0%)、中学校で20人(35.1%)在籍した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国盲学校長会の協力等があり、調査対象学校の協力が得られたため。また、本補助金で購入したデータ分析機器により、短時間で詳細な分析・処理が可能になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2010年度実施調査の結果について、1970年以来行っている同様の調査の結果との比較・検討を今後行う予定である。また、報告書を調査対象校に配布し、意見収集を行う。これらを経たのち、特殊教育学研究および米国関連雑誌へ本研究結果について投稿予定である。
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Research Products
(6 results)