2011 Fiscal Year Annual Research Report
弱視児童生徒の濁音・半濁音文字の視認性の検討と弱視用フォントの開発
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22531079
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
田中 良広 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育相談部, 総括研究員 (70392933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 真弓 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育研修・事業部, 総括研究員 (50321592)
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Keywords | 教育学 / 弱視 / 濁音・半濁音 / 視認性 / フォント |
Research Abstract |
研究の中間年にあたる昨年度は,昨年度に抽出した濁音・半濁音文字が含まれた実験素材を用いて仮説を証明するための評価実験を行った。 ○実験デザインに基づく視覚障害児童生徒を被験者とした実験の実施 以下の手続きにより、実験素材を用いた可読文字サイズの把握のための実験を実施した。 実験は、小学校3年から6年までの弱視児童8名と高等学校1年から2年までの弱視生徒15名を被験者として、それぞれ1度ずつ同様の内容で実施した。 (1)40ポイントから3ポイントの文字サイズのひらがな清音1文字の視標を30cmの距離(近距離視力測定と同様)で読んでもらい最小可読文字サイズを測定した。 (2)(1)で求めた文字サイズと同サイズのひらがな濁音・半濁音文字を提示し、読むことができるかを確かめた。 (3)清音と同サイズの濁音・半濁音文字が読めなかった場合に、少しずつ文字サイズを大きくして提示し、読むことが可能な文字サイズを把握した。 (4)高校生の被験者に対して、1.(2)で示した単語カードを提示し、その誤読傾向を把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成22年度に提出した当初予定では、濁音・半濁音文字及び単語による評価実験の結果に基づき、2年次(平成23年度)に弱視用フォントの試作を行う予定であったが、評価実験の実施が年度後半にずれ込んだ結果、弱視用フォントの試作までには至らなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度にあたる平成24年度においては、昨年度に実施した濁音・半濁音文字及び単語票を用いた評価実験の結果を基に弱視用フォントの試作を行うとともに、試作フォントの読みやすさに関する評価を実施する予定である。評価者からのフィードバックにより、良好な結果を得られた場合には全国の盲学校等への公開を予定している。 また、一連の実験結果とフォントの試用については関係学会等での発表を行いたい。
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