2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540019
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
朝田 衞 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (30192462)
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Keywords | 代数学 |
Research Abstract |
1.有理数体に1の素数乗根をすべて添加して得られる代数体をたk_1,k_1のpの外で不分岐な最大pro-p拡大体(p:奇素数)をMとする。k_1のイデヤル類群について考察した。k_1にさらに1のpべき乗根をすべて添加して得られる代数体については、そのイデヤル類群のp-primary partのマイナスパートについて、その(部分的な円分ガロア作用を込めた)構造に関する以前の結果があるが、k_1のイデヤル類群の同様な構造については未知である。後者は前者の中に(標準的に)埋め込まれることがわかるが、前者の中で後者をどのように特徴付けられるか、ガロア群Gal(M/k_1)のアーベル化群(その構造についても以前の結果がある)との関係などを考察した。 2.無限次代数体の無限次pro-p拡大体(p:素数)のガロア群の中では、p-素点の惰性群全体は、一般に「連続な族」をなしている。上記のガロア群Gsl(M/k_1)はfree pro-p群であることがわかっているが、その中でp-素点の惰性群全体で生成する部分群が惰性群たちの自由積に分解するかどうかを考察した。 3.前年度、第9回北陸数論研究集会(金沢大学サテライトプラザ、2010年12月26日~28日)において講演(タイトル:「局所体のガロア群の構造について(岩澤全集[29]の紹介)」)を行ったが、[29]以降の研究の発展についても調べ、報告集の原稿の内容としては、講演内容にそれらも若干付け加えてまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イデヤル類群の構造の考察は23年度の研究計画には入れていなかったが、申請時の研究目的の中では意識されている。研究目的を達成するための必要な準備はほぼ終わっており、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の考察を引き続き行う予定である。イデヤル類群の構造については、特に岩澤理論の専門家と、どのような結果が予想されるかについて研究打ち合わせを行いながら研究を進める予定である。
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