2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
橋本 光靖 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (10208465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 健一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (80240802)
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Keywords | 不変式環 / 同変全商環 / 簡約群 / 良いフィルター付け / 強F正則性 / 一意分解整域 |
Research Abstract |
簡約群Gの有限次元表現Vについて、対称元環S=Sym Vが良いフィルター付けを持てば、不変式環S^Gが強F正則であることは以前から知られているが、同じ仮定の下で、UがGのパラボリック部分群のユニポテント根基であるときに、S^Uもやはり強F正則であると分かり、5月に開かれたAnn Arborにおける集会で発表を行い、論文を書いて投稿中である。これは標数OにおけるPopovの結果の正標数版と捉えることが出来、また、必ずしも線型簡約ではない群の作用による不変式環のCohen-Macaulay性を保証する定理として、他に類を見ないものであるといえる。 また、代数群Gの作用する可換環Sについて、いつ不変式環S^Gが一意分解整域か、という問題について、古典的な代数的閉体上のPopovの結果を閉体ではない体上に拡張するとともに、Sが必ずしも一意分解整域ではない場合についても考察して結果を得、論文にして投稿中である。基礎体,kが代数閉体の場合、Gの有理点のなす群G(k)の作用が十分に大きく、Sの商体へのG(k)の作用を考えることが非常に有効であるが、kが一般の場合を考えると、G(k)が非常に小さくなってしまい、その商体への作用を考えることに意味がなくなってしまう。一方で、一般にはGの作用する可換環Sについて、Sの全商環Q(S)にまでは、Gの作用は拡張されない。この問題を解決するため、Q(S)の部分S代数で、Sの作用が拡張されているものの中で最大のものがあるので、それをQ_G(S)で表し、SのG-同変全商環と名付けて、基本性質を調べ、上記の不変式環の一意分解性の問題に応用した。
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