2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540071
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
関川 浩永 新潟大学, 自然科学系, フェロー (60018661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小黒 隆 東京電機大学, 理工学部, 講師 (40297578)
山田 章 長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (60311007)
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Keywords | 臨界概エルミート構造 / Goldberg予想 / Gauss-Bonnet定理 / Einstein計量 / 曲率恒等式 / Chern-Weil理論 / 接触計量多様体 / TV-Bochner曲率テンソル |
Research Abstract |
今年度は,本研究の課題である下記の研究項目および関連した話題について研究を進めてきた。 1.Goldbergの予想について。2.TV-Bochner平坦な概エルミート多様体について。3.)概エルミート構造の様々な変分問題について。4.単位接球面束の標準的接触計量構造について。 それぞれの話題について,今年度における研究の成果及び進捗状況はおよそ以下の通りである。 1について。予想そのものの解決には至っていないが,4次元コンパクト概エルミート多様体の曲率テンソルと概複素構造及びそれらの共変微分を含む恒等式を得ており,この恒等式を活用することが有効であるとの見通しがついてきた。 2について。本年度は本研究項目に関して成果は得ていない。 3について。概エルミート構造が古田汎関数の臨界点となるための条件を求めた。また,その結果をサポートする様々な臨界点の実例を構成した。 4について。昨年度までの研究においては,主としてリーマン多様体の単位接球面束がH-接触計量多様体となる場合についての研究を行ってきたが,今年度は3次元H-接触計量多様体に密接に関わりをもっているところの3次元接触計量多様体のクラスについて研究を行い,一定の成果を得た。 その他,昨年度における研究で得られた4次元リーマン多様体上の「曲率恒等式」の普遍性の証明及びその応用として4次元アインシュタイン多様体の一般化を得ている。さらに高次元の場合においても同様な普遍曲率恒等式が導かれることを証明している。この研究は上記研究項目の研究と平行して今後もさらに継続してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の研究項目1「Goldbergの予想について」は,4次元の場合に関して,ようやく「肯定的」の方向で解決するのではないかとの目途がついたと思われる.他の3つの研究項目についても,おおむね計画通り研究が進んでいる。また,当初,研究項目としては挙げていなかった,「曲率恒等式」に関しては,望外の成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策に関しては,概ねこれまでの研究方針及び方法を今後も継続して採用してゆく予定である。 本研究課題の研究項目1「Goldbergの予想」に関しては,既述の方針に従って4次元の場合の完全解決を目指す。 研究項目2「TV-Bochner平坦な概エルミート多様体について」に関しては,提起されている問題に取り組む。 研究項目3「概エルミート多様体の様々な変分問題」に関しては,古田汎関数の第2変分問題について考察する。 研究項目4「単位接球面束の標準的接触計量構造について」に関しては,3次元H-接触計量多様体について考察する。 また,本研究課題の研究を推進してゆく課程で遭遇した問題について,例えば「普遍曲率恒等式」に関する研究を上記研究項目との関わりを考慮しながら新規研究項目の一つとしてその研究を推進してゆきたいと考えている。
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