2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540211
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
村上 悟 岡山理科大学, 理学部, 教授 (40123963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 茂保 岡山理科大学, 工学部, 教授 (80122381)
濱谷 義弘 岡山理科大学, 総合情報学部, 教授 (40228549)
長渕 裕 岡山理科大学, 理学部, 教授 (60252607)
田中 敏 岡山理科大学, 理学部, 准教授 (90331959)
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Keywords | 積分方程式 / 解半群 / スペクトル / 特性方程式 / 安定性 / 漸近挙動 / ボルテラ方程式 |
Research Abstract |
積分方程式およびボルテラ差分方程式を中心に研究を行い、以下に述べる研究成果を得た。 1.村上は、松永秀章(大阪府立大学、准教授)、長渕裕(岡山理科大学、教授)、中野裕介(大阪府立大学、大学院生)との共同研究でボルテラ差分方程式を扱い、解作用素のスペクトルに付随して導かれる相空間分解に対する射影作用素を明確な形で与え、解の漸近挙動の解析に応用した。その結果を論文にまとめ、学術雑誌Journal of Differential Equations and Applications(2012年、第18巻)に公表した。 2.村上は、松永秀章(大阪府立大学、准教授)、Nguyen Van Minh(University of West Georgia,Professor)との共同研究で積分方程式を扱い、解半群およびその生成素のスペクトルの特徴づけ、および本質的スペクトル半径に対する評価を導いた。また、相空間における解の表現公式を確立した。さらに、相空間の直和分解に対応して、解の表現公式の分解公式を導き、積分方程式の定性的研究に対する重要なツールを確立した。その結果を論文にまとめ、近々に公表を予定している。 3.村上は、2で述べた積分方程式に対する解の表現公式を応用することにより、非線形方程式に対する線形化原理(安定性原理および不安定性原理)の確立に成功した。さらに、線形化原理を適用しえないクリティカルな方程式に対する1つの未解決問題を提唱した。それらの結果を、京都大学数理解析研究所講究録に近々に公表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いくつかの成果を得て論文にまとめ、公表すべく学術雑誌に投稿している。しかし、査読に時間がかかっていてその論文受理の連絡が遅れているため、その論文結果をベースとして得られた次の研究成果の公表および論文投稿が円滑にできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
目指していた研究成果がほぼ当初の計画どおりにできる目処がついている。今後は当初の計画を超えて、中心多様体の理論を構築し,その後の応用面にも研究を深めることを計画している。
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Research Products
(2 results)