2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540216
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神保 秀一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80201565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50118535)
本多 尚文 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (00238817)
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Keywords | 固有振動 / 特異摂動問題 / 弾性方程式 / ラメ作用素 / 領域変形 / 摂動公式 / ストークス作用素 / 複合構造 |
Research Abstract |
I.弾性方程式の固有振動に関する研究:1.小さな剛性率(第2ラメ定数)をもつラメ作用素の固有値精密な挙動を解析した. 極限問題として得られるストークス作用素の固有値も調べた.そして固有値の収束に関する漸近公式を示した. 2.細い単純な弾性体を組み合わせてできる複合構造体の振動の方程式を調べた.接合部分における条件を計算した.以上の研究によって弾性体の形状や物質的な特徴がその振動特性にどうのような影響を与えるかということを知ることにつながる. II.大きな非局所項をもつ楕円型作用素の固有値の漸近挙動:ラプラシアンに有限階数の作用素を付加した作用素の固有値の極限値と漸近挙動の精密な特徴付けを行った.この課題は連立型反応拡散方程式を単独方程式に帰着してできる問題を簡約化して得られるものである.この結果により元の方程式の解構造の定性的性質を知る助けとなる. III.小さな穴をもつ有界領域上のラプラシアンの固有値(ノイマン境界条件,ロバン境界条件)の摂動公式を示した.この結果自体は先行研究,小澤真(OsakaJ.1990)ですでに与えられているが今回簡明な別証明を与えることができた.このような素朴な別証明(簡易な方法)はより複雑な幾何的な状況におけるの固有値を調べる方法を強化する助けとなる. IV.マックスウェル方程式に現れる固有振動解の振動数について,滑らかな領域変形に対するアダマール型摂動公式を得た.古典的なラプラス作用素に対する同公式は工学分野において形状デザインの最適化問題で有効な考えを与えている.このようなの公式のマックスウェル方程式への一般化は応用面からも望まれるものである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当研究課題は当初の想定より難解でシンプルな場合についてのケーススタディをするのに予想以上に手間取ったこと,また,関連する類似の別課題について取り組んでいたため.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究計画に従って課題に取り組んでいく予定.液状化した弾性体の振動の問題が解決したため,次に1次元に近い細い弾性体を組み合わせたトラス構造について取り組み,それを一般化した異なる次元に近い薄い弾性体を複数組み合わせたものに取り組む予定.
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Research Products
(4 results)