2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10021635)
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Keywords | 幾何力学 / 宙返り / 擬剛体 / ポート制御 |
Research Abstract |
22年度の研究計画に従って、力学系の幾何学的理論を応用して猫の宙返りの問題を、連結2円柱にトルク入力のあるハミルトン力学系として定式化し、これにポート制御の考え方を適用して制御系として取扱い宙返りの後、運動が止まるようにモデルの運動を設計した。この成果の一部は「数理の玉手箱」の中の「宙返りの奥義」という章に収められている。本研究は、幾何力学が実際問題にも有効であることを示したものである。 多体系の変種として変形体を考えることができる。線形変形を扱う限り、その研究手法は多体系の場合とほとんど同じなので、特に変形体の古典力学・量子力学を研究した。その成果は論文「The geometry and mechanics of generalized pseudo-rigid bodies」と「Classical and quantum mechanics of a pseudo-rigid body in three dimensions」とに収められている。これらは、従来原子核の液滴モデルで研究されて来たものを幾何力学の立場から正確に定式化して簡約化の手法を適用したもので物理的にも意味がある。 また群の表現論の応用として、「Classical and quantum dynamics for an extended free rigid body」というタイトルで研究した。特にSU(2)やSL(2,R)等の規約ユニタリー表現が効果的に用いられた。また、副産物として、旧来対称コマのシュレーディンガー方程式が変数分離法で解けていた理由を群論的に説明できた。
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Research Products
(4 results)