2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10021635)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | チャーン数(フランス) / 正8面体群 / 3準位系 |
Research Abstract |
多体系の幾何学的理論を、伝統的な分子の力学で用いられている離散対称性を取り入れて展開した。早い変数は量子力学的に作用素として、遅い変数は古典力学的に多様体上の点として取り扱うという手法を用いた。これを準量子論と呼ぶことにする。分子の力学における解釈では、早い変数は振動を、遅い変数は回転を表すと解釈される。回転群の離散部分群の2次元球面上への作用と、その既約表現とを考えて、それらの作用の下で不変なエルミート行列を球面上のハミルトン作用素と考えることができる。このとき、固有値が縮退しなければ、ひとつの固有値に付随する複素直線バンドルを球面上に定義することができる。パラメータの値如何では、固有値が縮退するので、このようなバンドルは構成できない。複素直線バンドルが構成できるようなパラメータはどのような集合をなすのか、その時のチャーン数はいくらか。パラメータの変化に伴って、バンドルが一旦崩れて、次に再構成されるとき、チャーン数に変化が現れる。この変化量に物理的意味がある。本研究は、一昨年から始まった、Boris Zhilinskii 氏との共同研究の一環であり、力学系の幾何学的理論の新たな展開といえる。23年度は、D3で表される対称性をもつ2準位系について研究し、その成果の一端を、Zhilinskii 氏とともに国際研究会で発表し論文も公表した。24年度は、さらに発展させて、正8面体の対称性をもつ3準位系を研究し、さらに、一般的にパラメータ変化に伴うチャーン数の変化についての法則を確立し証明した。変化量が位相的な不変量であることを証明したところがポイントである。成果の一部は年度末に速報の形で論文にして投稿した。このほかにも多様体上の最適化問題を微分幾何学的に取り扱う研究をした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)