2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540229
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
成川 公昭 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (60116639)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 退化型準線形方程式 / オーリッチ・ソボレフ空間 / 変分問題 / 自由境界 / ディリクレ問題 / ノイマン問題 / 臨界指数 / 不定符号係数 |
Research Abstract |
主要部が非同次な退化型準線形楕円型方程式に対する自由境界問題の解析のため,昨年度に引き続きディリクレ問題の多重正値解,及びその解の振る舞いについての研究を深めた。特に外力項がオーリッチ・ソボレフノルムの意味でクリティカルな場合を取り上げ,爆発が起こらないような条件を求め,実際にその場合に多重正値解が存在することを証明した。この問題は,とくに,不定符号を持つ係数が現れる場合は定数係数のように簡単ではなく,この場合の研究に時間を割いた。更に,同じ方程式で非線形ノイマン問題の正値解の構成を行った。とくにノイマン問題の場合には爆発点が領域の境界に現れる可能性がある。この課題に対しては,境界条件に現れる非線形項の係数の最大点が境界の平均曲率が正の部分に存在するという仮定の下で爆発解の評価を行うことにより,克服することができた。これらの結果は,オーストリア・ウイーンで開催された国際会議に於いて発表するとともに,国内の各シンポジウムにおいてもそれぞれ講演を行った。これらの研究に得られた結果をもとに自由境界の解析に取り組んだが,主要部の退化性故に強比較定理が崩れ,単に自由境界の存在について結果を得るにとどまった。当初の計画では,多重の自由境界を持つ解の存在が得られるのではないかと予想し,その自由境界の正則性も含めて研究目的としていたが,これらは未だ研究の途上であり,現段階においては十分にこれを達成できず不十分なものとなってしまった。昨年辿った研究の一つである Cheeger set に相当するものの特徴付けをこの方程式について行うことも目的の一つであったが,自由境界の解析に十分に至らなかったため未だ研究途上である。いずれも研究実施計画通り,徳島大学総合科学部,工学部の連携研究者と研究連絡を取りながら研究課題を一歩ずつ進めていった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)