2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540231
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
大塚 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20342470)
|
Keywords | 関数方程式論 / 関数解析学 / 応用数学 / 数理物理 / 変分法 / 点渦 / 渦点 / 平均場 |
Research Abstract |
「平衡点渦系の平均場は点渦系の何を表現し得るのか」、これを明らかにすることを目標に、平衡点渦系の平均場の空間的構造、並びに、平均場を与える自由エネルギー汎関数の、無限次元空間におけるグラフの構造の解析、特に、これらの構造を、有限次元系である点渦系のハミルトニアンと関連づけて解明することが目的である。 今年度は、引き続き、Gladiali-Grossiによるゲルファント問題の漸近的非退化性・線形化固有値問題に関する結果の拡張に取り組んだ。ゲルファント問題は非線形固有値問題の一種だが、扱う方程式は(単成分系)平均場方程式と同じである。但し方程式を導く汎関数が異なるため、考察しなければならない線形化問題が異なり、それはゲルファント問題の方が易しい。ゲルファント問題の線形化固有値問題の解析は、ゲルファント問題の解の、無限次元空間における臨界点としての構造を詳細に知るために必要であり、平均場の自由エネルギー汎関数の構造理解の為の基礎事実を与えるものであるが、これに継続して取り組んだ。それと共に、ゲルファント問題の漸近的非退化性について、既に得ている結果の変数係数の場合への拡張、4次元空間での類似問題への拡張(ゲルファント問題、平均場方程式は2次元で考察している)を進め、学会等において、結果の一部を発表した。 また、研究集会を2回企画し(8月にRIMS合宿型セミナー、3月に第61回理論応用力学講演会におけるオーガナイズボセッション)、内外の物理学者との有益な交流が実現できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの2年間は基礎調査期間と位置づけ研究に取り組んできた。当初予定していた平均場方程式にこそ踏み込む途上であるが、関連する問題への拡張も進み、手法の理解が十分に深まったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も計画に従い、平均場方程式、オイラー方程式の解析を進めるが、基礎となるゲルファント問題の線形化固有値問題の解析が予想以上に進展し、微細な構造が把握されつつある。状況によってはこちらも進め、体勢を見極める。
|