2013 Fiscal Year Annual Research Report
偏光の時間変動を利用した活動銀河核ジェットの磁場構造の研究
Project/Area Number |
22540252
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
植村 誠 広島大学, 宇宙科学センター, 准教授 (50403514)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 天文学 / 光学赤外線天文学 / 偏光 / 活動銀河核 |
Research Abstract |
本年度は典型的なブレーザー天体として有名な「BL Lac」について詳細な研究が進み、2本の査読論文(Sakimoto, Uemura, et al. 2013、Gaur, Uemura, et al. 2013)として発表した。 Sakimoto, Uemura, et al. 2013 では本課題で開発した偏光成分の分離手法も用いて、観測された偏光の時間変動が短時間のフレアと長期的なトレンドに分離できることを発見した。長期的なトレンドはこの天体では初めて同定されたものであり、時間と共に増減はするものの偏光の方位角は変化しないことから、この成分の放射源がジェット中で一定の場所であることが示唆された。また、短期フレアの活動性と長期トレンドに相関がなく、別の場所からの放射であることも報告している。色の時間変動の解析からは、短期フレアよりも長期トレンドの方が高エネルギー電子が放射冷却で失われずに多く残っていることがわかった。これは放射領域に注入されたエネルギーが比較的小さかったことを示唆する。 一方で、Gaur, Uemura, et al. 2013 では、2008年に光度と偏光の強い反相関関係が見られたことを明らかにした。これは、ブレーザーで観測される現象としては大変珍しい現象で、天体が明るくなるフレア時には長期トレンドと直交した方向の偏光成分が短期フレアとして観測されていることを示唆する。この観測事実も、ジェットの中で複数のタイムスケールの異なる放射領域が存在し、各領域の磁場構造に系統的な差があることを支持する結果である。 また、これらの他にもジェット天体における1日以内の急激な偏光変動を検出し、論文にまとめている。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Dense Optical and Near-infrared Monitoring of CTA 102 during High State in 2012 with OISTER: Detection of Intra-night "Orphan Polarized Flux Flare"2013
Author(s)
Itoh, Ryosuke, Fukazawa, Yasushi, Tanaka, Yasuyuki T., Abe, Yuhei, Akitaya, Hiroshi, Arai, Akira, Hayashi, Masahiko, Hori, Takafumi, Isogai, Mizuki, Izumiura, Hideyuki, Kawabata, Koji S., Kawai, Nobuyuki, Kuroda, Daisuke, Miyanoshita, Ryo, Moritani, Yuki, Morokuma, Tomoki, Nagayama, Takahiro, Nakamoto, Jumpei
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Journal Title
The Astrophysical Journal Letters
Volume: 768
Pages: 1-5
DOI
Peer Reviewed
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