2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540287
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小田 一郎 琉球大学, 理学部, 教授 (40265517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 昌弘 琉球大学, 理学部, 准教授 (30222285)
瓜生 康史 琉球大学, 理学部, 教授 (40457693)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 重力理論 / 質量を持つ重力子 / 量子重力理論 |
Research Abstract |
本研究においては、重力子が質量を持つ重力理論について詳細に調べました。従来の重力理論としては、アインシュタインの一般相対性理論が有名です。このアインシュタインの理論では、重力を伝える素粒子である重力子は質量を持たないために、重力は無限遠方まで作用を及ぼします。しかし、我々の理論では、重力子が非常に小さな質量を持つために、重力の作用する距離は有限となります。この性質を使って、現在の加速膨張する宇宙が理論的に説明できるかを考えました。 また、我々の理論において、ユニタリー性を破る、つまり量子力学の確率解釈を台無しにするゴースト場がないことも示しました。さらに、有質量の重力子の理論から出発して、スムーズな無質量極限が取れることも示しました。ただ残念なことに、厳密解としてブラックホール解が存在することや強結合の領域の有無については調べることはできませんでした。 一応ミクロな素粒子物理学の分野で有質量の重力子の理論を構成できたので、この理論をマクロな宇宙物理学の分野に応用することを考えました。我々の理論では、重力子が質量をもつために、アインシュタインの一般相対性理論(この理論では重力子は質量を持たない)に比べて、確かに長距離領域で変更を受けることを示しました。さらにこの変更のために、従来の暗黒物質の存在を仮定しなくとも、現在の加速膨張する宇宙を理論的に説明できることも示しました。 しかし、我々の理論を使って、インフレーションを説明することが出来ませんでした。このために宇宙初期の軽い元素の元素合成の問題も解決できませんでした。よって、我々のモデルにも暗黒物質を少し加えることで、インフレーションや宇宙初期の軽い元素の元素合成の問題を解決することを試みました。ただ残念なことに、PCの計算の能力の問題もあり、最終的な結論を得るには至りませんでした。これらは今後の研究の課題だと思っています。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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