2012 Fiscal Year Annual Research Report
重い電子系における価数揺動と量子臨界現象及び超伝導との関係に関する研究
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22540343
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山岡 人志 独立行政法人理化学研究所, 石川X線干渉光学研究室, 専任研究員 (30239850)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 強相関系 / 物性実験 / 放射線・X線・粒子線 / 量子ビーム / 量子臨界 / 超伝導 / 高圧 / 共鳴X線発光分光 |
Research Abstract |
本年度は最終年度であり、これまで研究開発してきた高圧低温実験装置を使って、いくつかの量子臨界点をもつ価数揺動化合物に対する放射光実験を行った。 低温高圧実験は10数 GPaまでは問題なくできるようになった。低温でBe gasketの脆弱性が強くなるため、約15 K, 18 GPaまでが現在の到達点となっている。現在、さらに低温下での高圧実験ができるように改良を行っている。 CePd2Si2において19 K, 12 GPaまでの実験が行われた。Ce価数は、近藤効果が支配的な領域から価数揺動領域へ移行することが確認された。不純物アンダーソンモデルによる理論計算と比較され、理論と実験結果が良い一致を示した。一般に、Ce系、Yb系の量子臨界点においては、価数揺動が起きている系が多いことが確認された。 また、Yb系に対してSPring-8においてX線発光分光、HiSOR(広島大学放射光実験施設)において高分解能の光電子分光測定を行い、両方の結果から電子状態、特に、温度変化とFermi端付近の電子状態を明らかにすることができた。このように、光電子分光とX線発光分光の両方の手法により相補的に電子状態を調べているグループは世界でもほとんど例がない。Yb2Pd2Snに対しては、光電子分光と発光分光測定と行ない電子構造を明らかにした。また、低温高圧下での発光分光測定から、高圧下で起きる異常な振る舞いに関してあったふたつのシナリオのうち、ひとつを否定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The electronic structure and the valence state of Yb2Pd2Sn and YbPd2Sn studied by photoelectron and resonant x-ray emission spectroscopies2012
Author(s)
H. Yamaoka, P. Thunstrom, I. Jarrige, K. Shimada, N. Tsujii, M. Arita, H. Iwasawa, H. Hayashi, J. Jiang, H. Namatame, M. Taniguchi, N. Hiraoka, H. Ishii and K.-D. Tsue
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 86
Pages: 085137
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Electronic transitions in CePd2Si2 studied by resonant x-ray emission spectroscopy at high pressures and low temperatures2012
Author(s)
H. Yamaoka,Y. Zekko, A. Kotani, I. Jarrige, N.Tsujii, J.-F. Lin, J. Mizuki, H.Abe, H. Kitazawa, N. Hiraoka, H. Ishii, and K.-D. Tsuei,
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 86
Pages: 235131
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] CePd2Si2及びCeRh2Si2の共鳴X 線発光分光測定2013
Author(s)
山岡人志, 舌古裕美子, 小谷章雄 , IgnaceJarrige , 辻井直人, Jung-Fu Lin , 水木純一郎, 阿部英樹、北澤英明、平岡 望, 石井啓文, Ku-DingTsuei
Organizer
日本物理学会第68回年次大会
Place of Presentation
広島大学東広島キャンパス
Year and Date
20130326-20130329
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[Presentation] Yb2Pd2Sn及びYbPd2Snの高分解能光電子・発光分光測定2012
Author(s)
山岡人志, ,Patrik Thunstrom, 辻井直人, Ignace Jarrige, 島田賢也,有田将司, 岩澤英明, 林 博和, 姜 健, 生天目博文, 谷口雅樹, 平岡 望, 石井啓文, Ku-Ding Tsuei, M. Giovannini, E. Bauer
Organizer
日本物理学会2012年秋期大会
Place of Presentation
横浜国立大学
Year and Date
20120918-20120921