2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540378
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
立岩 尚之 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 主任研究員 (50346821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 悦嗣 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (50343934)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ウラン系化合物 / 強磁性超伝導 / 高圧研究 |
Research Abstract |
1. 2011年度から開始した強磁性超伝導物質UGe2の高圧下磁化測定をさらに進めた。特に磁気臨界圧力1.6 GPa以上の電子状態を集中的に研究した。今年度は、常磁性領域で現れるブロードな磁化率の極大と、メタ磁性の相関について、スピンのゆらぎ理論(SCR)を用いた解析を集中的に行い、理論モデルの構築を行った。強磁性相内部に存在する特性温度T*が消滅する臨界圧力1.2GPa以上で、スピンの揺らぎ間の結合定数が正から負へと変化することがわかった。高圧領域では、「縦に柔らかい」強磁性状態へと変化し、さらに常磁性状態へと遷移する。相境界に於けるフェルミ面の再構築と低エネルギー励起スペクトルの温度・磁場依存の対応関係等について考察を行った。 2.強磁性超伝導物質UGe2とURhGeの強磁性状態について考察を深めるため、強磁性磁気転移温度における臨界現象に注目した。両物質とも、一軸異方性の強い強磁性状態が形成され、その「イジング」的振舞が強磁性状態の特徴とされる。磁化のデータについてスケーリング理論を用いて解析したところ、各種臨界指数は、「三次元イジングモデル」から期待されるそれらとは異なることが明らかにされた。この結果は、超伝導が現れる強磁性状態が「三次元イジングモデル」では単純に記述できない特性をもつことを示唆し、超伝導発現機構との相関が興味深い。 3. 高圧下磁化測定を目的としたセラミックアンビルセルの改良を行った。低温に於けるバックグラウンドの増加を低減化するため、セルのデザインを修正し、初期のバージョンよりバックグラウンドを二割程度まで低下させ、測定の精度を向上化させることが出来た。さらに静水圧性の向上のため、「窪み付きアンビル」のテストを行い、5GPaまで質の高い圧力下の磁化測定が可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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