2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22540383
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 昌利 東京大学, 物性研究所, 助教 (30313117)
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Keywords | バルク・エッジ対応 / マヨラナフェルミオン / トポロジカル超伝導 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下のとおりである。 まず、バルク・エッジ対応と呼ばれる量子秩序相の性質を調べた。量子相の一つであるトポロジカル相では、基底状態の波動関数がゼロでないトポロジカル数をもつと、その境界にはギャップレス状態が現れることが知られており、バルク・エッジ対応と呼ばれている。ところが、このバルク・エッジ対応は、その重要性にも関わらず、ディラックハミルトニアンなど特殊な系を除いて、一般的証明が知られていなかった。前年度に引き続き、このバルク・エッジ対応の研究を行い、一般的証明を論文としてまとめた。 また、超伝導体のトポロジカル相に現れるマヨラナフェルミオンの研究をおこなった。マヨラナフェルミオンとは、自分自身が反粒子であるディラックフェルミオンであり、もともとはニュートリノなどの素粒子として導入された粒子であるが、長い間その存在は確立されていない。ところが、最近、超伝導体のアンドレーエフ束縛状態として実現可能であることがわかり注目されている。まず、異常量子ホール状態とs波超伝導体の接合系を調べ、系のパラメータによって、マヨラナフェルミオンが現れることを明らかにした。さらに、Cu_xBi_2Se_3の表面状態を理論的に詳しく調べ、実験で得られているトンネル電流のゼロバイアスピークが、Cu_xBi_2Se_3の表面に存在するマヨラナフェルミオンによるものであることを明らかにした。これは、実験・理論の協力により、超伝導体のマヨラナフェルミオンの存在を初めて明らかにしたものであり、今後のこの分野の発展に寄与していくものと期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
量子秩序相の中の、特にトポロジカル超伝導体に関して、その数理構造と一般的性質を明らかにすることに成功している為。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの計画に従って、研究を発展させていく。特に、トポロジカル場の理論など、場の理論の手法を用いた解析を進める。
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[Presentation] Topological superconductors2011
Author(s)
Masatoshi Sato
Organizer
2nd International Workshop on Quarks and Hadrons under Extreme Conditions-Lattice QCD, Holography, Topology, and Physics at RHIC/LHC
Place of Presentation
Keio University(招待講演)
Year and Date
2011-11-18
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[Presentation] Topological superconductors2011
Author(s)
Masatoshi Sato
Organizer
International Workshop for Young Researchers on Topological Quantum Phenomena in Condensed Matter with Broken Symmetries
Place of Presentation
Laforet Biwako, Shiga, Japan(招待講演)
Year and Date
2011-11-03
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