2012 Fiscal Year Annual Research Report
低温・高圧水の液体‐液体相転移の分子シミュレーション法による解明
Project/Area Number |
22540423
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
六車 千鶴 中京大学, 国際教養学部, 教授 (80319219)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 拡張アンサンブル法 / モンテカルロ(MC)法 / 液体‐液体相転移 / 結晶氷 / アルゴン / 液体‐固体相転移 / 単原子水 (mW)モデル / L-Jポテンシャル |
Research Abstract |
主として拡張アンサンブル法という分子シミュレーション法(モンテカルロ(MC)法)で、系の圧力や温度の変化が分子の集団運動や熱力学量に与える影響を調べることが本研究の目的である。水のポテンシャル関数には、Molineroらによる単原子水 (mW)モデルを用いた。1~3いずれも詳細についてはさらなる検討が必要である。 1.低温・高圧条件下での水の“液体‐液体相転移”や“第二臨界点”の存在可能性に対して、216個のmW水系、180Kでのmultibaric-isothermal(MUBA)法を行ったところ、同じ体積でも系の状態が変化しながら同じ系の状態が繰り返し再現された。また、0.2 GPaと0.5 GPa付近では相転移らしいものが見つかった。 2.大気圧下で最大密度である4℃の水から結晶氷が生成するメカニズムに対して、大気圧下で216個のmW水系のMUTH計算を行ったところ、水とアモルファス氷間の変化がみられた。そこで、NPT MC計算で、結晶氷を徐熱あるいは水を徐冷する過程での圧力変化を調べた。水から結晶氷を形成するにはエネルギーは常に減少しながら体積が急激に大きくなる必要があるが、低圧になるにつれて結晶氷に近い体積のアモルファス氷が得られた。結晶氷に合わせて水分子を配置したあとの結晶氷の配列パターンから氷の残余エントロピーを計算した結果は、Molecular Simulation誌に発表した。 3.温度125 KでのL-Jポテンシャルを用いたアルゴン系のMUBA計算を行った。108個の系では液体状態と面心立方格子(fcc)の結晶構造との間の相転移点が得られたが、256個の系ではアモルファス構造との間の相転移点が得られた。そこで、NPT MC計算で、fccから減圧する、液体状態から加圧する過程での温度変化を調べたところ、80K以下の温度で結晶構造の動径分布関数が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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