2010 Fiscal Year Annual Research Report
都市上空の気温鉛直分観測による都市冷却プロセスの解明
Project/Area Number |
22540450
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
酒井 敏 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (30144299)
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Keywords | 都市気象 / ヒートアイランド / 気温観測 / 観測機器 / 冷却プロセス |
Research Abstract |
当初計画では,22年度中に新型繋留気球を開発して,23年度以降に本格的な観測を行う予定であったが,22年度に係留気球の設計を大幅に見直したため,計画は若干遅れている.設計を見直した点は2つあり,一つは揚力を得る翼として,当初はある程度浮力が得られる大きなものを考えていたが,気温の変動に伴う内部圧力の変動で,所定の形状を維持することが難しく,そのため繋留を始めた時点では正常に機能していた翼が時間がたつとうまく機能しなくなることが判明した,そこで,翼の形状を大幅に変更して,あらかじめかなりの高圧でガスを封入できる構造とした.もう一つは,これまで安定化のためにつけていた翼の上反角を逆に下反角としたことである.グライダーなどの飛行体は通常安定化のために上反角を付けている.この係留気球もこれに習って上反角を付けていたが,実験の結果,上反角を付けるとかえって不安定化する傾向が見られた.そこで,力学的に詳細な検討を加えた結果,自由に飛行するグライダーと異なり,繋留線で繋留された飛行体の場合,上反角をつけると姿勢が崩れた際にかえって繋留点から離れる(繋留線を傾ける)方向に力が働いてしまうことが判明した.そこで,角度を逆向きにして安定化させる設計に変更した.このような変更を施した試作機を22年度に試験飛行させ,おおむね予想通りの結果を得ているが,この試験飛行では急遽設計変更をしたため,機体の強度不足のため,試験中に機体が破損してしまった.現在,強度を上げた機体を製作中である.
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