2012 Fiscal Year Annual Research Report
台風海洋間の多階層渦による相互作用の解明と海洋酸性化に与える影響評価
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22540454
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
和田 章義 気象庁気象研究所, 台風研究部, 主任研究官 (20354475)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 台風 / 台風海洋相互作用 / 大気波浪海洋結合モデル / 炭素平衡モデル / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
非静力学大気波浪海洋炭素平衡結合モデルを用いて、5種類の異なる定式化で計算された海面粗度長が、大気海洋間の運動量・熱交換係数を通じて台風シミュレーションに与える影響を、2009年台風Choi-wan、2010年台風Fanapiの事例について評価した。定式化の違いによる海面粗度長の違いは、大気海洋間の運動量・乱流熱輸送量に影響を与え、台風通過時にはこれによって海面気圧や最下層の気温など、大気に対するインパクトが大きくなった。また、台風通過後には、海面水温・塩分及び海面二酸化炭素分圧に対するインパクトが大きくなった。このように台風域における高波による海面粗度の変化は、大気海洋間の運動量・乱流熱輸送を通じて台風の強度・構造及び台風に対する海洋応答にも影響を与えることが明らかとなった。 大気境界層過程が台風シミュレーションに与える影響について、非静力学大気モデル内の大気境界層スキームを変えた感度実験を実施した。台風域内における台風の眼の壁雲の外側の大気境界層が薄いほど、境界層内の動径風の非傾度風成分は大きくなり、この動径風の強化が台風の2次循環の強化へとつながり、結果として台風強化が起こりやすくなることが明らかとなった。 将来気候実験結果を用いたダウンスケール実験結果と傾度風平衡を仮定した台風の潜在強度を比較した結果、異常に強い台風における気圧降下の半分は、海面水温や大気環境場の将来時における変化で説明できるものの、残りの半分については、動径風の非傾度風成分等台風強化に関わる内部構造変化に起因する可能性があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(16 results)